平野美宇&早田ひな、日本生命でTリーグ参戦…拠点は東洋の魔女生んだ貝塚体育館

スポーツ報知
Tリーグ参戦会見で、ガッツポーズをとる日本生命女子卓球部の選手たち(左から)前田美優、早田ひな、石垣優香、平野美宇、森さくら(カメラ・馬場 秀則)

 10月開幕の卓球の新リーグ「Tリーグ」に女子で参戦する日本生命は1日、大阪市内で参加選手の発表会見を行った。17年世界選手権女子シングルス銅メダルの平野美宇(18)、同女子ダブルス銅メダルの早田ひな(18)ら8選手の出場が決定。平野はTリーグでの経験を通じ、20年東京五輪での金メダル獲得を誓った。ロゴやマスコットも発表され、チーム名は「日本生命レッドエルフ」に決まった。

 平野が卓球界の名門、そして東京五輪の“パワースポット”からTリーグに参戦する。会見では「海外の試合がすごく多い。時間がなかなかない中ですごく迷った」と熟慮した上での決断だったと説明。「この場に立って、自分も参戦するんだなという気持ちがすごく湧いた。初代王者を目指し、Tリーグを通して強くなれたら」と意気込んだ。

 1954年創部の日本生命は、実業団の日本リーグで最多優勝回数を誇る名門だ。16年から拠点を置く大阪・貝塚市の貝塚体育館も頂点に縁がある。64年の東京五輪で金メダル獲得に貢献し“東洋の魔女”と呼ばれたバレーボール全日本女子の主力を担った日紡貝塚の練習拠点を改装。前女子日本代表監督の村上恭和総監督(60)が「すごいところに来た。ここで五輪選手を育てて、金メダリストを出したい」と夢を抱いた場所でもある。

 その期待を背負う平野は父と住む東京が練習と生活の中心だが、Tリーグに参戦することで、試合直前の調整などは同体育館で行う方向だ。「(東洋の魔女の逸話を)聞いた時はすごいなと思ったし、そこで練習することも増える。私もそういう風につながって出場して、金メダルが取れたらいい」と思いをはせた。

 2年前には世界最高峰の中国超級リーグに参戦し、世界選手権銅メダルなど、その後の飛躍につなげた経験もある。「Tリーグも世界一のリーグを目指すということで、それを超えるようにお客さんも自分たちも一緒にレベルアップできていったら」。自身も、リーグも中国を超える存在に。18歳が志を高く、新たな舞台に飛び込む。(林 直史)

 ◆貝塚体育館 旧日紡貝塚工場の大食堂を体育館に改造し、1957年から女子バレーボール部(後のユニチカ)の練習に使い始めた。64年東京五輪で日本代表のほとんどの選手を輩出し、金メダルを獲得した同部は00年に活動停止。日本生命が土地と建物を取得して改装し、卓球部は16年9月に大阪・吹田市から練習拠点を移した。敷地内の貝塚市歴史展示館にはバレーボール部の資料や当時の床板などが保存されている。

スポーツ

×