ナガマツ、女子ダブルス41年ぶり金!「五輪への一歩は踏み出せた」

スポーツ報知
松本麻佑(左)と永原和可那

◆バドミントン 世界選手権最終日 ▽女子ダブルス決勝 永原、松本(19―21、21―19、22―20)福島、広田(5日、中国・南京)

 相手のスマッシュが外れた瞬間、ナガマツは抱き合い、ただただ泣いた。永原は「勝ってうれし涙を流したのは初めて。まだ優勝の実感がない」と感極まった。他国の辞退者が出たことによる繰り上げで初出場した世界選手権で、初めて国際タイトルをつかんだ。日本勢では77年第1回大会の栂野尾(とがのお)悦子、植野恵美子組以来41年ぶり。松本は「何十年ぶりということで、日本人と決勝も戦えて光栄」と快挙をかみ締めた。

 3ゲームを戦い抜いた合計点は62―60。わずか2ポイントが金、銀を分けた。相手のマッチポイントを2度しのぎ、21―20と逆転。自らのマッチポイントにも、2人はあえて「ここからあと3点取りにいこう」と声を掛け合った。重い、重い次の1点。まだ先があると言い聞かせ、攻めきることだけ考えた。相手の福島は「1本1本に重みがあった。勝ちたい気持ちに押されて、引いてしまった」と認めた。勢いと執念が、前回銀ペアを砕いた。

 177センチの松本と170センチの永原。合計身長347センチは、今大会の日本勢ダブルスで男女を通じて最長身だ。男子顔負けの破壊力が持ち味だけに、15年大会銅メダリストの早川賢一、遠藤大由(ひろゆき)組のプレーを手本にしている。永原は「身長を武器にしたプレーをしたい。男子のプレーを参考にできているのが強みだと思う」と胸を張る。

 今大会は出場4組中3組がメダルに輝き、16年リオ五輪金メダルのタカマツペア(3回戦敗退)も控えている。20年東京五輪は、2枠の出場争いが実質表彰台争いともいえる激戦になる。松本は「五輪への一歩は踏み出せた。日本の対決がここから熾烈(しれつ)になる」。永原も「ここで満足したら終わり」と言い聞かせた。世界挑戦の第一歩は最高のフィナーレを迎えた。東京で同じ歓喜を味うために、勝負の2年間が始まる。(細野 友司)

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