有延大夢“三刀流”で成長　営業マン＆日本リーグ＆Ｔリーグ

　１０月開幕の卓球「Ｔリーグ」に男子で参戦する「琉球アスティーダ」が、日本リーグ前期ＭＶＰの有延（ありのぶ）大夢（２３）＝リコー＝の獲得が濃厚となっていることが１７日、分かった。所属先からのレンタルとなり、関係者によると日本リーグに併用登録の申請を行った。

　社会人で最も勢いのある若手だ。１７年に実業団のリコーに入社すると、９月の日韓実業団定期戦でエースの李尚洙ら韓国代表のトップ選手３人を破り、衝撃を与えた。日本リーグでは通算１７勝４敗と高勝率を誇り、今年の前期大会ではリコーの創部６０年目の初優勝に大きく貢献。ＭＶＰに輝いた。７月のオーストラリア・オープンで欧州屈指の好選手のアポロニア（ポルトガル）を下すなど、格上に対する強さにも定評がある。

　フルタイム勤務を続けながら、Ｔリーグに参戦する初めての選手にもなる。リコーの所属選手は午前９時から午後５時半まで、日本リーグ１部では数少ないフルタイムで勤務。プロ選手ではない有延も営業部でコピー機などの販売を行い、限られた時間の中で就業後や休日に効率を考えながら練習に励んでいる。今後は営業マンに日本リーグ、Ｔリーグの“三刀流”で、成長を加速させていく。

　◆有延　大夢（ありのぶ・たいむ）１９９４年１０月１２日、福岡県出身。２３歳。山口・野田学園中、高を経て、明大１年時に全日本学生選抜選手権優勝。２０１７年４月にリコーに入社し、直後の日本リーグ・ビッグトーナメントで３位。同年ＵＳオープン優勝。１８年日本リーグ前期大会で最高殊勲選手賞を受賞した。戦型は右のドライブ型。