八村塁&渡辺雄太、最強コンビで43点 格上イラン撃破「一丸となって試合ができた」

スポーツ報知

◆バスケットボール男子 W杯アジア2次予選 ▽F組 日本70―56イラン(17日、大田区総合体育館)

 世界ランク49位の日本は同25位のイランを70―56で下し、4勝4敗とした。八村(はちむら)塁(20)=米ゴンザガ大=が25得点、米NBAグリズリーズと「ツーウェー契約」を結んだ渡辺雄太(23)が18得点。規格外のダブルエースが計43得点を挙げ、国際連盟の公認試合では13年ぶりに格上イランに勝利した。

 31―35で迎えた第3クオーター残り7分。八村の華麗なアシストから、渡辺が豪快なダンクシュートを決めた。前半は個人技で得点を奪う場面が目立った2人のコンビネーションがさく裂。今、最もNBA入りに近い2人が8連続得点するなど難敵を突き放すと、超満員3307人の会場が大歓声で何度も揺れた。約2年ぶりの国内戦を終えた渡辺は「たくさんの声援で勝つことができた」と控えめに喜び、八村は「一丸となって試合ができた。そして今日(17日)は大好きな妹の誕生日」と会場でまさかのハッピーバースデーを熱唱。最後まで観客を沸かせた。

 新しい歴史の一歩が刻まれた。2人が代表で同時出場するのは、13日のカザフスタン戦に次いで2試合目。国内ではこれが初競演となった。渡辺の参戦を最も心待ちにしていたのが八村だ。NBAを夢見て、高校卒業と同時に米国に挑んだ仲間でもある。NBAのサマーリーグに参加し、ツーウェー契約に至った渡辺は「尊敬する」先輩。「雄太さんが入って、すごいメンバーになった」と層の厚さを実感。渡辺も「塁はもちろん、日本全体のレベルが上がってきている」と確信を得た。

 2次予選の残り4試合は、日程の関係で2人とも不参加が濃厚。210センチのファジーカス・ニック(33)=川崎=がリハビリから戻ってくるとはいえ、得点の半分以上を挙げた2人の抜ける穴は大きい。それでも渡辺は「僕や塁がいなくても今の日本なら他国と戦える」と言い切った。6チーム中3位以上になれば、W杯出場。東京五輪の開催国枠が確約されていない日本にとって、W杯出場は絶対条件となる。本当に負けられない戦いはここからだ。(小林 玲花)

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