リーチ・マイケル、第二の故郷・北海道にエール「ラグビーは倒されても前に進む競技」地震被害に心痛

スポーツ報知
今大会に参加する道内高校ラガーマンへ、エールを送るリーチ・マイケル

 全国高校ラグビー大会(12月27日開幕、大阪・花園ラグビー場)の出場権をかけた南北北海道大会が20日、遠軽・えんがる球技場で開幕する(試合は21日から)。札幌山の手高出身で花園にも出場した日本代表主将リーチ・マイケル(29)=東芝=がスポーツ報知の単独インタビューに答え、6日に発生した北海道胆振東部地震被災者へ元気なプレーで元気を届けようと、全選手へエールを送った。(聞き手・小林 聖孝)

 ―6日の胆振東部地震では、高校3年間を過ごした北海道に大変な被害が発生しました。

 「私は都内にいましたが、故郷のニュージーランドの知人から『北海道で大きな地震があったようだが、大丈夫?』と電話があり、慌ててニュースを見て驚きました。しばらくして、札幌山の手での恩師、佐藤(幹夫)監督(57)に連絡が取れ、学校や部員の無事を確認できましたが、その後のニュース映像で震源地や札幌市清田区の甚大な被害を知りショックを受けました」

 ―地震の影響で今回の南北北海道大会の組み合わせ抽選も10日から、19日に変更。被災地では今も大変な生活が続く中、参加選手に望むことは?

 「ラグビーは倒されても、立ち上がり、また前に突き進むスポーツ。全参加選手が、勇気を持ってそのプレー、精神を貫くことが、被災地の皆さんに対するメッセージになると思います」

 ―日本代表主将、トップリーグ(TL)東芝の主力を務めるご自身の、被災者への思いは?

 「ニュージーランドでW杯が行われた2011年は、私の故郷、クライストチャーチ地震(2月)、さらに東日本大震災(3月)が立て続けに起こり、被災された方々を少しでも元気づけたいという特別な思いでW杯に臨みました。北海道は自分にとって第二の故郷。今戦っているTLはもちろん、来年日本で開催されるW杯では、体を張ったタックル、ボールを持ったら先頭を突き進むプレーをひたむきに続け、初の8強入りに貢献して被災地の皆さんに勇気を送りたいです」

 ―札幌で過ごした高校時代の思い出は。

 「15歳で札幌山の手に留学。花園でプレーしたいというモチベーションがスキルアップにつながり、チームワークや周囲への感謝、謙虚な気持ちを学びました。下宿先のご家族にも家族のように接していただき、日本語も学びました。今でも、成長した姿を見せ恩返しをしたいと思っています。札幌山の手の後輩たちにも、努力と感謝の気持ちを忘れずに戦い、優勝を目指してほしい。花園では悲願の2回戦突破を果たし、シード校に勝ってもらいたいです」

 ◆リーチ・マイケル 1988年10月7日、ニュージーランド・クライストチャーチ生まれ。29歳。フランカー、NO8。現日本代表キャプテン。5歳からラグビーを始め、2004年にセントビーズ高から札幌山の手高に留学。3年連続花園出場、3年時に高校日本代表入り。東海大1年で世界ジュニア選手権代表、2年時に初の日本代表入り。日本代表キャップ56。13年7月、日本国籍を取得。15年からは世界最高峰リーグ・スーパーリーグのチーフス(NZ)でもプレー。家族は夫人と1女。190センチ、105キロ。

 ◆後輩・札幌山の手「元気届けたい」

 リーチの後輩、札幌山の手の選手たちは19日、遠軽入りし調整を行った。初戦の相手も、札幌厚別に決定。センターの繁松秀太主将(3年)は「日本代表を引っ張るリーチ選手の活躍は、ぼくたちの大きな励み。今回は初戦から圧倒的な内容で勝ち上がりリーチ先輩に報告、地震被災地の方々にも元気を届けたい」と2年ぶりVに闘志を見せた。

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