大坂なおみ、凱旋Vへグイッ!上位シード消えた

スポーツ報知
第2セット、強烈なサーブを放つ大坂なおみ(カメラ・竜田 卓)

◆女子テニス 東レ・パンパシフィックOP 第5日 大坂2-0ストリコバ(21日、ドーム立川立飛ほか)

 全米オープンで日本勢4大大会シングルス初優勝した大坂なおみ(20)=日清食品=が、準々決勝で世界ランク25位のバルボラ・ストリコバ(32)=チェコ=をストレートで下した。サーブの確率が悪くミスも多かったが我慢の勝利。上位シードが姿を消し、日本女子シングルス初の年間3勝目が見えてきた。22日午後1時以降に行われる準決勝で、同37位のカミラ・ジョルジ(26)=イタリア=と対戦する。ダブルスではジャカルタ・アジア大会で銅メダルの加藤未唯(23)=ザイマックス=、二宮真琴(24)=橋本総業=組が、ガブリエラ・ダブロウスキー=カナダ=、徐一ファン=中国=組を7―6、6―0で下し、日本勢初優勝に王手をかけた。

 大坂が我慢を重ねて準決勝進出を決めた。1時間31分かかって手にした勝利に、「ふ~っ」と大きく息をついた。凡ミスでの失点数は26を数え、9つだった2回戦の3倍近く。武器のサーブも第1セットは第1サーブの確率47%と苦戦はしたが「難しかったけど勝てた。最高の出来ではないけど適応できた」と安堵した。

 成長を証明した。主催者推薦で出場した15年大会はストリコバに1回戦でストレート負け。「3年前から私は全ての面で成長できている」と言う20歳に対し、32歳のダブルス巧者は「試合運びが上手で大切なところでポイントを取ってきた。さすが4大大会優勝者。私がどうにかできるレベルじゃなかった」とたたえた。

 序盤からミスが多く、以前なら完璧を求めるあまり自滅していたパターンだった。しかし、全米女王となった今は違う。自らに「いつも完璧な試合ができるわけじゃない。やるべき仕事はベストを尽くすこと」と言い聞かせた。ネット前へ落とされたボールを必死に追い、ラケットを縦にしてすくうように返球しポイント。思わずストリコバが動作をまねて、いら立ちをみせた。自らを何度も鼓舞して集中力を保ち続けた。

 優勝への道が開けてきた。前回女王で第1シードのC・ウォズニアッキ(デンマーク)が2回戦で姿を消し、第2シードのC・ガルシア(フランス)も準々決勝で敗れた。残った4人の中で最もシード順が高い。準決勝で対戦するジョルジとは対戦経験がなく「番狂わせをいくつも起こしてきた選手。難しい試合になると思う」と警戒を強めた。

 優勝すれば3月のBNPパリバ・オープン、全米に続き3勝目となる。日本女子シングルスの年間勝利数は伊達公子(94、96年)、杉山愛(98、03年)の2勝が最高。「この大会で勝つ意味は大きい」と思い入れの深い、日本で唯一出場するツアー大会で歴史を刻む勝利をつかむまで、あと2勝だ。

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