関学大アメフト開幕3連勝…もと甲子園球児が初スタメンで俊足披露

スポーツ報知
第3Q、相手選手のタックルをひらりとかわして前進する関学大WRの小田快人(上)(カメラ・朝田 秀司)

◆関西学生アメフト 関学大38―0龍谷大(23日・神戸市王子スタジアム)

 関学大が龍谷大を38―0で完封し、開幕3連勝を飾った。今季初めてスタメン起用されたWR小田快人(4年)=近江=が40ヤード走4・7秒の俊足を武器に活躍。近江高3年時に全国高校野球選手権で16強入りした元高校球児が、度重なる故障を乗り越え、自身2年ぶりの聖地凱旋へと再出発した。

 かつて甲子園の外野を駆け回った元球児が、その走力を全開させた。小田は試合開始直後のキックオフリターンでいきなり66ヤードのロングラン。流れを呼び込み、その後は要所で持ち前のキャッチ力を発揮した。第3クオーター(Q)終盤には、約50ヤードのロングパスめがけてダイビングキャッチにもトライ。「ロングパスを通したいと思っていたけど、できなかった。それが課題」。あと一歩届かなかったものの、存在感は示した。

 知人に勧められて関学大でアメフトを始めるまで、野球一筋の人生を歩んできた。14年、近江3年時の夏の甲子園では「2番・中堅」で先発出場し、ベスト16入りの立役者になった。プロ野球・阪神の植田海内野手(22)は同級生。普段からツイッターなどで活躍を気にかけ、「刺激になる。でも、もっとがんばってほしい」と笑う。母校は今夏もベスト8。発奮材料には事欠かない。

 2年前の甲子園ボウルは、途中出場で優勝に貢献した。しかし昨年8月から両太もも裏の肉離れなど相次ぐけがに泣き、チームが連続出場した年末の大一番は出場することができなかった。「甲子園に戻りたいという思いは強い」。ラストイヤーにかける思いは人一倍だ。

 チームは2戦連続完封勝利。エースRB山口祐介(4年)=横浜栄=が故障離脱するなか、RB中村行佑(4年)=啓明学院=が3タッチダウンで穴を埋めた。それでも、鳥内秀晃監督(59)は「相手のミスでゼロに終わっただけ。うまく攻められたら、やられていた。甘くない」と勝ってかぶとの緒を締めた。2年ぶりの大学日本一へ、寸分の緩みも許さない厳しさが、今季の関学大にはある。(小松 真也)

 ◆鳥内監督「何してんねん」

 関学大はQB西野航輝(4年)=箕面自由学園=が今季3戦目で初めて、QBとして先発出場。第3Qに30ヤードを投げ、チーム今季初のタッチダウンパスを決めたが「うれしいというより、最初からああいうプレーをしないといけない」と、反省の弁を並べた。

 昨年の甲子園ボウルはQBでスタメンに名を連ねたものの、QB奥野耕世(2年)=関西学院=の台頭もあり、今季の開幕戦はWRで先発起用された。走力が高く、「二刀流」の働きが期待される存在。鳥内監督は序盤にパスが通らなかった点を踏まえ、「勝手に投げミスをしている。4年生がこの時期に何をしてんねん」と手厳しかった。

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