錦織、20歳・シチパスに完勝で4強入り「攻めていけた」

スポーツ報知
第1セット、リターンする錦織。シチパスにストレート勝ちで準決勝に進出した(カメラ・竜田 卓)

◆男子テニス 楽天ジャパン・オープン第5日 ▽男子シングルス準々決勝 錦織2―0シチパス(5日・武蔵野の森総合スポーツプラザ)

 シングルス準々決勝で世界ランク12位の錦織圭(28)=日清食品=が、同15位のシチパス(ギリシャ)に完勝した。初対戦の20歳を圧倒し1時間23分で快勝。6日の準決勝では同25位のリシャール・ガスケ(32)=フランス=と対戦する。ダブルスではマクラクラン勉(26)、シュトルフ(ドイツ)組が決勝に進出した。

 錦織は初対戦のホープにキャリアの差をみせつけた。ブレイクされたのは第1セット第6ゲームのみ。「反省点はあのゲームくらい。リターンがすごく良くて、サービスゲームに余裕が出た」。マッチポイントでは弾むようなフットワークから強烈なフォアハンドの決定打を決めてみせた。

 シチパスとは初対戦で情報は少なかったが分析して立てた戦略通り、リターンの立ち位置を工夫し攻略。第2サーブにバリエーションがないことを見抜いてリターン得点率は62%。「攻めていけた。戦術をしっかり頭に入れていたので、初めての相手という感覚ではなかった」と胸を張った。

 8歳年下の次世代スター候補との対戦。試合前に生年月日がアナウンスされるのを聞き「1998年って最近じゃん」と思うと同時に、07年のプロ転向から重ねてきた年月に思いをはせた。「18歳の時の考え方や入り方とは(今は)全然違う。いい意味で落ち着いてどっしり構えられている。いろんなことがあって今があると思った」

 昨夏に故障離脱している間に、シチパスや4強に残ったシャポバロフ(19)=カナダ=ら若手が世界ランクを上げてきたが、その一角に完勝。28歳らしい円熟味をみせ、4年ぶりの大会制覇にまた一歩近付いた。(大和田 佳世)

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