吉兆?大坂なおみ吹っ切れた「全ての試合に勝てるとは期待しない」

スポーツ報知
会見した大坂なおみ

 【シンガポール20日=大和田佳世】女子テニスの年間成績上位8選手のみが出場できるWTAファイナルが21日、当地で開幕する。22日の第1試合(日本時間午後8時半)に臨む世界ランク4位で初出場の大坂なおみ(21)=日清食品=がリゾートエリアのマリーナベイ・サンズで会見。「全ての試合に勝つことを期待しない」と、4大大会の全米オープン優勝時と同じマイペースで挑む。

 大坂が心の準備をしっかり整えて大きな舞台に臨む。トップ選手だけが集まる大会に全米オープン覇者として堂々乗り込む。「優勝するんだという気持ちを持たないといけない」という一方、「全ての試合に勝てるとは期待しない」と冷静に分析した。

 一見ネガティブにも思える発言は吹っ切れた証拠でもある。全米前もミスをする自分を受け入れ「完璧な人間じゃない」と話し日本勢初の快挙につながった。10月5日の中国オープン準々決勝では泣きながら試合をするような精神的な不安定さが顔をのぞかせた。日本での調整期間でリフレッシュし「いいプレーをしようと思い過ぎて、自分に負担をかけないように」することを再確認できた。

 大会関係者が「多すぎる」と驚くほど日本からメディアが大挙し、注目が集まる。本人も「以前は自分が知られているのは日本だけかと思っていた。でも今はどこでも、ここがアジアだから特にそうなのかもしれないけれど、空港で気付かれた。ちょっと面白い」と世界的な認知度を実感。大会の豪華さは4大大会以上で、全勝優勝ならば236万米ドル(約2億5960万円)が手に入る。それでも「私は私。変わるつもりはない。ただのテニス選手」とマイペースは変わらない。前夜の約600人が集まったセレモニーも「足をケガしたみたいに震えた。コートを歩く方が楽」と笑って振り返った。

 会見後は試合会場で約1時間、練習した。屋内ハードコートで球足は速いが「速いコートは好き」と気に入った様子。使用球は全米と同じウイルソン社製のもので相性も良い。初戦の相手、世界ランク8位のスローン・スティーブンス(25)とは「いい試合になりそう」。自然体は吉兆の証し。心穏やかに戦いを待つ。

 ◆試合日程 1日2試合が行われ、初日の21日は午後6時からB組のクビトバ対スビトリナ、午後8時30分以降からウォズニアッキ対プリスコバ。大坂の初戦は22日第1試合で、第2試合はケルバー対ベルテンス。2戦目は24日、3戦目は26日になる見通しで、相手の順番は未定。準決勝は27日、決勝は28日午後8時30分(すべて日本時間)。

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