サーシャコーチ、大坂なおみに初戦攻略法伝授「対角線で打ち合え」WTAファイナル

スポーツ報知
WTAファイナル開幕を控え、最終調整した大坂(カメラ・大和田佳世)

 【シンガポール21日=大和田佳世】女子テニスの年間成績上位8選手のみが出場できるWTAファイナルが開幕した。世界ランク4位で初出場の大坂なおみ(21)=日清食品=は、22日午後8時30分(日本時間)からの初戦に備えて練習した。サーシャ・バイン・コーチ(34)はスローン・スティーブンス(25)=米国=の練習相手を務めた経験を生かし、対角線での打ち合いを勝利のカギに挙げた。

 会見したサーシャ・コーチは、スティーブンス対策を聞かれて言葉を濁した。「あまり多くを言いたくないけれど…。クロスコートラリーが多くなるのを期待している。それしか言えない」。数か月、練習相手を務めた経験を基に、テニスの基本とも言える、対角線上で打ち合うラリーを勝敗のカギに挙げた。さらに、「弾道が低い球をいかに方向を変えて打てるか」。今年の全仏で準優勝したスティーブンスはフットワークが良く、我慢強いラリーが特徴。決定打を沈める瞬間を焦らず待つ―。初戦の攻略法は既に伝授されているようだ。

 昨年はウォズニアッキに同行し優勝を支えた経験は、初出場の大坂にとって大きなメリットだ。弾むと球の勢いが失われるコート特性は把握済みで、東京での事前調整期間に普段より踏み込んで打つ意識を植えつけた。この日の練習でも、力強いリターンからラリーへつなげる展開を確認。「過去には1次リーグで1勝の選手が優勝したこともある。負けても勝ち上がるチャンスがある。どの試合も、セットも、競り続けることが重要」と、1次リーグ3試合の戦い方も説いた。

 世界ランクは年初の68位から4位に上がり、今大会の結果次第では日本シングルス勢最高の3位になる。「過去にないほど素晴らしい1年だと思う。でも、まだ大会が1つ残っている。祝うのはその後」。トップ8選手だけが出場できる大舞台の“勝たせ方”を最もよく知るコーチに支えられ、大坂が初戦に臨む。

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