大坂なおみミス連発 流れに乗れず初戦黒星

スポーツ報知

◆女子テニス WTAファイナル第2日 ▽1次リーグA組 スティーブンス2―1大坂(22日・シンガポール室内競技場)

 【22日=大和田佳世】世界ランク4位で初出場の大坂なおみ(21)=日清食品=は、1次リーグ(L)A組の初戦で同6位のスローン・スティーブンス(25)=米国=に5―7、6―4、1―6で敗れた。日本選手のシングルス出場は2003年の杉山愛以来だったが、ミスが多く流れに乗れなかった。第2戦(対戦相手未定)は24日に行われる予定。

 我慢に我慢を重ねた大坂の集中力が切れた。最終セット0―1の第2ゲーム、40―0と3度のブレイクバックのチャンスを迎えた。40―30からスティーブンスの第2サーブを線審はアウトとコールしたが、主審が覆した。大坂はチャレンジを申し出ず、結局ブレイクできなかった。「我慢が足りなかった。そこが彼女との違いだった」。最後は力ないダブルフォルトで2時間25分の消耗戦を落とした。

 年間成績上位8人だけが出場できる特別な舞台。照明で浮かび上がる紫色のコートに足を踏み入れると、「予想外」の大歓声が迎えてくれた。3年前の15年、将来有望な若手が集まるエキシビション「ライジングスター招待」でプレーした。当時世界ランク200位程度だった18歳は、「ここに戻ってきたい」という願いを、わずか3年後にかなえた。

 しかし、「勝ちたい気持ち」が先走り、第1サーブ確率は56%。リターンを無理に強打してベースラインを割り続けた。第1セット第7ゲーム終了時点で、サーシャ・バイン・コーチ(34)が「この試合がダメでも次がある。焦らなくていい」と声をかけてなだめても、イライラは収まらない。ラケットで足を叩き、髪で顔を隠し、ぺたりと座り込んで感情をあらわにした。

 通常の大会なら負けて終わりだが、今大会は1次L3試合を戦って上位2人が準決勝に進出する。試合後の会見では普段の敗戦後と違って笑顔があり、「(終了後)5分はとても悲しかったけど、負けから学ぶことは多いと考えるようにしている。この試合で学んだことを次に生かしたい」と、穏やかに話した。今季ツアー大会40勝のうち第1セットを落として逆転勝ちしたのは2回だけで、フルセットも5試合だけ。相手のミスに乗じてではあったが、1セットを奪い返したのは収穫だ。過去には1次L1勝2敗から優勝した選手もいる。精神的な切り替えが、次への道を開くカギになる。

 ◆WTAファイナル 年間成績上位8人が出場できるツアー最終戦。4人ずつ2組に分けて総当たりの1次リーグを行い、各組上位2人ずつが決勝トーナメントに進む。賞金は勝利数で変動し、1次リーグ1勝目は26万3000ドル(約2893万円)、2勝目以降は増えていく。3戦全敗でも出場料が加算され15万1000ドル(約1661万円)が得られる。準決勝勝利で59万ドル(約6490万円)、決勝勝利で116万ドル(1億2760万円)を獲得。全勝優勝なら合計で236万ドル(約2億5960万円)を手にする。

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