【高校ラグビー】日川、完封で13大会連続48度目の花園

スポーツ報知
13大会連続48度目の全国大会出場を決め喜ぶ日川フィフティーン

◆全国高校ラグビー山梨県大会 最終日▽決勝 日川92―0富士河口湖(22日、御勅使南公園ラグビー場)

 決勝が行われ、日川が富士河口湖を92―0で下し13大会連続48度目の全国大会(12月27日開幕、大阪・花園ラグビー場)出場を決めた。9人が14トライを奪う圧巻の攻撃力を見せる一方で、守備でも奮闘。決勝の舞台では2009年大会(桂に26―0)以来、9年ぶりに無失点勝利を飾った。花園では13年度を最後に遠ざかる3回戦進出を目指す。

 日川の攻撃陣が、勢いよく富士河口湖のディフェンスを打ち破った。開始早々、前半2分にセンター広瀬龍二(3年)が左サイドに飛び込んで先制トライを挙げると一気に加速。のべ9人が合計14トライを決める“多角攻撃”を展開した。守っては2009年以来となる決勝戦での完封で、王者の力を存分に見せつけた。

 雨宮敬将監督(36)は「きょうの試合は評価に値する。0で抑えたのは大きい」と目を細めた。SH宮下賢志主将(3年)はこの日2トライ。「今年は飛び抜けた選手がいないので、全員が一体となるラグビーを目指してきた。そういう意味では、多くの選手がトライできたのは良かった」と胸を張った。

 宮下は仲間の思いも背負い、グラウンドに立った。NO8の松浦嵩(しゅう、3年)とは、富士吉田ラグビースクールで出会い、13年の付き合いがある親友。ところが、初戦(2回戦)の日大明誠戦で2人が接触し、松浦は右膝前十字靱(じん)帯を断裂する大けがを負い、その後欠場となった。

 「あいつを花園に連れて行きたいと思って必死だった」と宮下主将。腕に巻いたテーピングに「嵩」の名前をローマ字で書いて決戦に臨み、自分がトライを決めた時は松浦に向け腕を掲げた。松浦はこの日は水を運ぶなど裏方として貢献。復帰が花園に間に合うかはまだわからないが「感じるものがあった」と親友に感謝した。決勝戦では他にもU―17日本代表のロック小嶋大士(2年)ら主力級の負傷欠場が出たが、圧巻の内容。指揮官は「心配なところもあったが、それを払拭する奮起を見せてくれた」とうなずいた。

 花園では全国の強豪が待ち受ける。先制トライをはじめ、何度も力強い突破を見せた広瀬は「自分たちのラグビーをして“正月越え”をしたい」と誓った。13年度以来の3回戦進出を果たすためにも、さらに実力に磨きをかける。(三須 慶太)

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