データで読み解く錦織完敗

スポーツ報知

 ◇日東電工ATPファイナル第3日(13日・ロンドンO2アリーナ)

 ▽1次リーグB組

K・アンダーソン2(6―0、6―1)0錦織圭

 錦織圭(28)=日清食品=はケビン・アンダーソン(32)=南アフリカ=に完敗した。第1セットは1ゲームも取れず、第2セット0―5の第6ゲームでやっとキープに成功。自身初の0―6、0―6負けを回避したが、獲得ゲーム数1は08年10月ストックホルム・オープン準決勝と並ぶ自己ワースト記録の屈辱的敗戦を喫した。

 試合後の会見で「なぜこのようなプレーになったのか分からない」と嘆いた錦織。発言とデータを照らし合わせ、敗因をみていく。

 ▽「たくさんミスをしてしまった」

 アンフォースト・エラー(凡ミス)は24(フォア15、バック7、サーブ2)。初戦のフェデラー戦の22(フォア9、バック9、サーブ4)から数字上は2つ増えただけ。ただ総ポイント数に対しての割合は18%→28%と増えた。

 ▽「サーブが良くなかった。もう少し入っていれば展開は変わっていたかもしれない」

 第1サーブは44%で今季平均61%、初戦の52%よりも低かった。さらに第1サーブ得点率は50%で、こちらも初戦の78%から大きくダウンした。

 ▽「ストローク戦をさせてもらえず、リズムがつかめなかった」

 総ポイント数83のうち5回以下のラリーで決着したのが54、5~9回が22、9回以上が9だった。54のうち38がアンダーソンが取ったもの。第1サーブのうち51・85%を相手のコートに返せなかった。ラリーをしてリズムをつかみたい錦織にとっては理想的な展開ではなかった。

 アンダーソンのコメントからも見てみよう。

 ▽「サーブの確率が高かった」

 第1サーブを77%入れた。今季平均65%を上回り、第1サーブの得点率も82%。特に第1セットは12本で11ポイントを挙げた。最速222・5キロでエースを10本奪い、武器をしっかり生かした。

 ▽「リターンが良くて彼にフリーポイント(サーブから3打以内のポイント)を多く与えなかった」

 第1サーブに対するリターンの得点率は50%。今季3度対戦し最も良かったエルステバンク・オープン(10月・ウィーン)の32%をも大きく上回った。武器のサーブに加え、リターンでも錦織にプレッシャーをかけていたことになる。

 ▽「30―30になる場面が少なく、いずれもしのげた」

 自分のサービスゲームで30―30になったのは第2セットの第1、5ゲームの2度だけ。いずれもそこから2ポイント連取しブレイクのピンチを招かなかった。

 データ、コメントから見ると錦織自身のサーブ不調、ストロークでのミスに、アンダーソンの好調なサーブと課題だったリターンの向上が重なり、一方的な結果になったと言える。現地時間15日の最終戦では、錦織は2敗のドミニク・ティエム(25)=オーストリア=と、アンダーソンは1勝1敗のロジャー・フェデラー(37)=スイス=と対戦する。

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