福島商、初春高!JO杯県代表の6人入学で強く

スポーツ報知
初の春高バレーを決めた福島商の選手たち(カメラ・遠藤 洋之)

◆バレーボール 全日本高校選手権 福島県大会最終日 ▽男子決勝 福島商3―0相馬(24日、福島市国体記念体育館)

 男女の決勝が行われ、男子は福島商が相馬に3―0で完勝。来年1月5日開幕の全日本高校選手権(通称・春高バレー、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)に初出場を決めた。福島商は左利きのウィングスパイカー(WS)石崎蛍(2年)らが多彩な攻撃を見せ、前年王者の相馬を圧倒した。女子は郡山女大付が磐城第一を3―0で下して、3年連続20度目の春高切符をつかんだ。

 相手の強打がアウトになると、福島商のメンバーの表情が笑顔に変わった。県内有数の古豪が、初めてつかんだ春高バレーの切符。ミドルブロッカー(MB)山沢祐斗主将(3年)は「チーム全員でつかんだ勝利。春高は初めてなので勝って本当にうれしい」と胸を張った。

 “全国”を肌で感じて、強さを増した。昨年のジュニアオリンピック杯の福島県代表だった6人が入学。すぐに3人がレギュラーとなって一気に力が増すと、県高校大会で優勝。今夏の高校総体出場を果たした。その前に県大会を制した1959年は9人制で屋外開催。「6人制」では初の全国の舞台だった。総体では1次リーグで1勝を挙げたが、決勝トーナメントの初戦(2回戦)で優勝した市尼崎(兵庫)に0―2で完敗。山沢主将は「気のゆるみもあったかもしれないけど、めった打ちにされた」と、つかみかけた自信を完全に失ったと明かした。

 もう一度、全国の舞台へ出るため、秋からはサーブレシーブとディグ(スパイクレシーブ)の徹底に取り組んだ。鈴木雅広監督(53)は「守備ができて初めて全国のチームと戦える」と、平日3時間の練習のうち、2時間は守備に費やした。左利きのWS石崎は「本当にきつかった」と振り返るが、決勝では相手の強打を確実に拾うことでチャンスが増し、バックアタックや一人時間差など多彩な攻撃で相手を圧倒。石崎は「落ち着いてプレーできたし、いい攻撃ができて楽しかった」と笑みがこぼれた。

 再び自信をつかんで挑む春高バレー。1年生のMB吉田匠吾は「僕らは挑戦者。初心を忘れることなく、春高では2勝を目指したい」と決意。27人の部員が一丸となって、大舞台に乗り込む。(遠藤 洋之)

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