伊藤美誠&早田ひな、初V王手…あと1点危機から逆転 窮地を乗り越え大胆に戦術転換

スポーツ報知
伊藤美誠(左)早田ひなペア

◆卓球ワールドツアー グランドファイナル第2日 ▽女子ダブルス準決勝 早田ひな・伊藤美誠組3(12―10、3―11、9―11、12―10、11―6)2田志希・梁夏銀組(14日、韓国・仁川)

 【14日=林直史】女子ダブルスで世界ランク1位の伊藤美誠(18)=スターツ=、早田ひな(18)=日本生命=組が田志希、梁夏銀組(韓国)に3―2で逆転勝ちし、2年連続で決勝に進んだ。

 “みまひな”が気迫の逆転勝ちで初Vに王手をかけた。ゲームカウント1―2の第4ゲームで先にマッチポイントを握られたが、3連続得点で逆転。勢いに乗って最終ゲームを迎え、最後は早田が豪快なフォアドライブで試合を決めた。笑顔でハイタッチをかわした伊藤は、「本当に我慢の試合で。我慢強さはあったかな」と、胸をなで下ろした。

 田志希、梁夏銀組には、早田が右足を痛めていた7月のオーストラリア・オープン(OP)でも、1―2から逆転で勝っていた。今回は早田も万全のコンディションで臨んだが、世界2位ペアの驚異的な粘りに、「何をしても返ってくるし、どう頑張っても点数が決まらないとお互い感じていた」。

 窮地を乗り越えた第5ゲームは大胆に戦術転換。コースを限定することなく、臨機応変に両サイドに打ち分けることで翻弄し、伊藤も「ポイントごとに好きなように考えてやっていた。相手も分かりづらかったと思う」と、納得顔だった。

 伊藤にとっては、厳しい条件も重なっていた。今大会は3種目に出場。3試合を戦った前日は、フルゲームで敗れたシングルス1回戦の終了が午後9時。この日は女子ダブルスが午前10時に開始された。普段はコンディション維持のため8時間睡眠を欠かさないが、この夜は5時間半。「負けた後でグッタリで」と食欲もなく、朝食は母が作ってくれたおにぎりだけで済ませ、試合前の練習中も眠気に襲われるほど。「ずっと足が動かなくて、最後は“頭だけ”で勝負した」と苦笑した。

 苦しい試合を制し、ペア結成から2年連続で決勝に進んだ。初優勝へ、16日の決勝は11月のオーストリアOPで3―0で破っている陳幸同、孫穎莎組(中国)と激突。今年最後の試合となる伊藤は、「優勝して終わりたい」と決意を込めた。

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