【坂田正彰の目】神戸製鋼は増えた外国人枠を最大限に生かした

スポーツ報知
増えた外国人枠を最大限に生かせた神鋼

◆ラグビー 日本選手権兼トップリーグ決勝トーナメント ▽決勝 神戸製鋼55―5サントリー(15日・秩父宮ラグビー場)

 決勝で神戸製鋼がサントリーを55―5で下し、18季ぶり最多10度目の日本選手権V、15季ぶり2度目のトップリーグ(TL)制覇を達成した。

 神戸製鋼は63%のボール保持率にも表れたように一人一人のボールキープが良く、前に出て防御し速攻に転じるサントリーの良さを出させなかった。相手の出足を止めるため突破力のある外国人選手を使うなど、シンプルかつ速い展開でアタック。それを80分間継続した。昨季までサントリーに所属したSH日和佐がリズムをつくり、ブレイクダウン(密集でのボール争奪戦)では少ない人数でボールをリサイクルするなど、小さいプレーの積み重ねが生きた。

 19年W杯日本代表の休養を確保するために今季から外国人枠(アジア枠を含む)が4人から6人に増え、神鋼はその機会を最大限に生かした。中でも神鋼の「炉」に再び火を入れたのは世界的司令塔のカーターだろう。この日はビッグプレーこそなかったが、フランス1部リーグでも活躍した優勝請負人だけあり、パスひとつにしても基本プレーをおろそかにしない。パスする際にインサイドに速いランナーを入れるなど細かいオプションもたくさんあった。

 15年W杯以来、代表から遠ざかっていたベテランの山下が復活し、大舞台で戦うメンタリティーという部分でクラブの文化に大きな影響を与えた。19年W杯で戦う代表選手も多くの刺激を受けたはずだ。(元日本代表フッカー)

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