張本智和、世界6位カルデラノ撃破で最年少V王手「今大会で一番パフォーマンスが良かった」

スポーツ報知

◆卓球ワールドツアーグランドファイナル 第3日▽男子シングルス準決勝 張本智和4―0カルデラノ(15日、韓国・仁川)

 【15日=林直史】男子シングルスで世界ランク5位の張本智和(15)=エリートアカデミー=が初の決勝進出を果たした。準決勝で同6位のウーゴ・カルデラノ(ブラジル)を4―0で下した。水谷隼(29)=木下グループ=は準々決勝で梁靖崑を下したが、準決勝で同4位の林高遠(ともに中国)に0―4で敗戦。女子シングルスで石川佳純(25)=全農=はフルゲームの大接戦の末、何卓佳(中国)に敗れた。

 張本が史上最年少優勝に王手をかけた。準々決勝で世界1位の樊振東(中国)を破って勢いに乗っていたカルデラノに快勝。「今大会で一番パフォーマンスが良かった」。納得のプレーに笑顔を見せ、会場からの声援にタオルとラケットを持った手を振って応えた。

 対策がハマった。カルデラノとは3月のカタール・オープン(OP)で0―4で完敗。その試合後、相手の得意とする投げ上げサーブの練習に取り組むなど、成長の糧としてきた存在でもあった。樊の勝ち上がりを予想していたが、約5時間前に行われた準々決勝の結果を受け、すぐに映像を分析。「時間は短かったけど、一番準備して臨んだ」と再戦に備えた。

 最も警戒したのは相手の打球の威力だった。樊が真っ向から打ち合って敗れたことも踏まえ「自分は100%のパワーを出しても足元にも及ばない。1球でも多くつないで相手のミスを待つ作戦で」と冷静にコースに打ち分けた。第3ゲームの後半には「少しゾーンに入っていた」と優勝した6月のジャパンOP荻村杯以来の感覚も体験した。

 昨年の8強を超え、初めて決勝に進んだ。今年は1月に史上最年少で全日本王者となったが、ジャパンOP荻村杯を最後にタイトルから遠ざかっている。「ユース五輪もシングルスも団体も決勝で負けた。たくさん悔しい思いをしたので、この1年のすべてをぶつけて有終の美を飾りたい」。15歳で今大会を制すれば男女を通じて最年少。熱い思いで締めくくりの一戦に臨む。

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