平成最後のラグビー大学選手権で大波乱 9連覇王者の帝京大が天理大に敗れる

スポーツ報知
後半、トライを決め喜ぶ天理大のファウルア・マキシ(手前左)と抱きつくアシペリ・モアラ

◆ラグビー 全日本大学選手権 ▽準決勝 天理29―7帝京大(2日・秩父宮)

 平成最後の大学選手権で、関西王者の天理大が大番狂わせを起こした。前人未到の10連覇を狙った帝京大から大金星を奪う29―7(前半12―0)で快勝し、7季ぶり2度目の決勝進出を果たした。前後半を通してスクラム、ラインアウトのセットプレーで圧倒し、初の大学日本一に王手をかけた。関西勢が優勝すれば84年度の同志社大以来、34季ぶり2校目となる。12日の決勝は、第1試合で早大に31―27で競り勝ち、22季ぶり優勝を狙う明大と激突する。

 天理大は前半10分に右ウィング・久保直人(4年)の右隅への先制トライを決めた。ゴールは失敗。17分過ぎのマイボールスクラムでは約22メートルを押し込んで、帝京大からペナルティートライ(7点)を奪って、12―0と先行。帝京大を無得点に押さえて前半を折り返した。

 後半もロックのアシペリ・モアラ(1年)、N08ファウルア・マキシ(4年)、右センターのシオサイア・フィフィタ(2年)らパワフルな留学生を攻守の核に帝京大を圧倒。13分過ぎには、ラックの連続攻撃からモールに切り替えて押し込みフィフィタがトライ。ゴールも成功させ、19―7と広げた。同17分のスクラムでは約5メートルを押し、ウィングの久保からNO8マキシが中央にトライ。ゴールも決め、26―7と突き放した。28分にはスクラムで帝京大がコラプシング(故意に落とす反則)を犯し、天理大はPGを選択。SO松永玄太郎(4年)が、勝負を決定づける約30メートルを決めて29―7とした。

 帝京大は前半5分にSO北村将大(2年)が脳しんとうで負傷離脱。開始早々にいきなり司令塔を欠き、苦戦を強いられた。前半15分過ぎのボール支配率は15%と、自陣にくぎ付けにされる展開に。ブレークダウンでも天理大のプレッシャーに負け、速い球出しができなかった。前半のボール支配率は43%まで盛り返したが、22メートルライン内で攻撃を継続できず。前半終わり間際の連続攻撃では19フェーズ目で、痛恨の反則を犯し自滅した。

 帝京大は後半3分、FB竹山晃暉(4年)のキックパスをキャッチした右ウィング木村朋也(2年)が右隅にトライ。竹山がゴールを成功させて7―12としたが、得点はこれだけにとどまった。

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