明大、22季ぶりVへ変身 豪気な校風一転“涙の壮行会”

スポーツ報知
明大FWの前3列は、天理大の強力スクラムに対抗する組み方の確認を行った

◆ラグビー 全日本大学選手権 ▽決勝 天理大―明大(12日・秩父宮)

 平成最後の大学日本一の座をかけて対戦する明大と天理大は11日、ともに両校のグラウンドで前日練習を行った。22季ぶり13度目Vを目指す明大は、東京・八幡山のグラウンドで登録外選手の4年生らが“涙の壮行会”を決行。豪気な校風に似合わぬ、熱い涙でメンバーを送り出した。7大会ぶり2度目の決勝舞台で、初制覇と1984年度の同志社大以来、34季ぶり関西勢Vを狙う天理大は奈良・天理市内で最終調整後に上京した。

 紫紺のジャージーを託された23人の出場メンバーたちの心に刺さる、熱い送り出しとなった。寒風吹く早朝のグラウンド。主力はその場にいなかったが、登録外の4年生らが中心となり熱い思いを伝えた。「俺たちはノンメンバーだけど、明日はしっかり応援する」。中には涙を流す4年生もおり、豪快な明治カラーには似合わぬ光景に。SH福田主将は「うれしかった。紫紺のジャージーを着るプライドを持って、みんなの思いを背負って戦う」と胸を熱くした。

 過去12度の優勝を誇る伝統校だが、近年は低迷を経験。ゴミ掃除すらしなかった。「悪い文化を一掃する」と“脱あしきメイジ”を掲げ、日常生活から改めてきた。前監督の丹羽政彦氏(51)は「マヨネーズをドリンク代わりに飲むヤツはもういない」。フランカーの井上も「試合に出られない4年生は、例年、ネガティブな言葉を発したり、練習態度が悪かったりするけど、今季は1人もいない」と胸を張った。

 昨年は19季ぶりの決勝舞台に戻ってきたが、前回は帝京大に1点差で逆転負け。チームテーマを「EXCEED(上回る)」と掲げ再出発した。「去年は決勝は未知の世界だった。出るだけでホッとしていた。けど、今回は日本一が絶対。集大成のラグビーで勝つ」と福田主将。優勝が見えるチームに仕上がり、就任2季目の田中澄憲監督(43)も「やっとここまで戻ってきた」と、腕をまくった。

 天理大は、準決勝で9連覇中の王者・帝京大をスクラムで圧倒。明大は春と夏の練習試合で連敗している。NO8のマキシやセンターのフィフィタら強烈な突破力があるトンガ人留学生が厄介だが、「1対1できっちり止めてみせる。ハンティング・ディフェンスで狩る」と福田。熱き思いをぶつける。(小河原 俊哉)

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