中垣内監督続投「一任」に異議 16日にバレーボール協会理事会

スポーツ報知
全日本男子の中垣内監督(左)と日本バレーボール協会・嶋岡会長

 日本バレーボール協会の昨年11月に行われた臨時理事会後の記者会見で、嶋岡健治会長が理事に一任され、全日本男子・中垣内祐一監督(51)の続投を決めたと発表したことについて、複数の理事が「会長に一任していない」と16日の理事会で追及することが15日、分かった。

 この理事たちは「理事会では一任するという表決も挙手も行っていない。中垣内監督の任期は3月31日までというのを聞いて、継続審議だと思っていたので、報道を見て、びっくりした」と口をそろえる。一部では「監督候補選考委員会で決めきれなかったので、理事会で審議することになったはずなのに、こういう発表の仕方では、協会のガバナンスを問われかねない」と危機感を抱く理事もいる。

 嶋岡会長が会見で、ブランコーチが事実上、全日本の指揮を執り、中垣内監督がチームのコーディネートを行っていることを明らかにした点についても「それなら、中垣内氏が監督である必要はないのでは」と理事の一人は指摘する。また、その際に今年10月のW杯で成績が悪くても、東京五輪までの指揮官の続投を明言。「東京へ向けて、最善の策を尽くすのが会長の役目。それを最初から放棄しているようなもの」とある強化関係者は厳しい口調だった。

 中垣内体制継続を受け、スポンサーがつかないという弊害も出てきている。東京五輪に向け、サポートの意向を示していた大手メーカーが、人身事故などマイナスのイメージのある指揮官に難色を示し、“商談”がまとまらなかったという。

 その一方で、協会は財政悪化のため、個人登録料値上げに踏み切ろうとしており、反発の声も上がっている。「車メーカーなどもコンプライアンスの観点から、スポンサーにはついてくれないでしょう。協会幹部は自分たちでお金を作れないのに、そのしわ寄せを競技者に押しつけていては、バレーから離れていく人が増えていってしまう」と嘆く関係者もいる。

 15日の理事会で、嶋岡会長が監督人事について、明快な説明を行い、理事全員が納得のいく決定方法を示せなければ、会長の責任も問われる。

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