錦織圭、世界176位にまさか大苦戦 逆転勝ちも「危なかった」…全豪OP

スポーツ報知

◆全豪オープン第2日 ▽男子シングルス1回戦 錦織圭2(3―6、6―7、6―0、6―2、3―0棄権)2マイクシャク(15日・メルボルン)

 【メルボルン15日=大和田佳世】男子シングルス世界ランク9位の錦織圭(29)=日清食品=は0―2と追い込まれてから逆襲し、相手の途中棄権で初戦を突破した。予選勝者の176位カミル・マイクシャク(23)=ポーランド=に大苦戦したが、相手がけいれんに見舞われた第3セット以降に盛り返した。次戦はイボ・カロビッチ(39)=クロアチア=と対戦する。女子シングルス第4シードの大坂なおみ(21)=日清食品=は、日本女子で25年ぶりにセンターコートで勝利した。

 錦織が4大大会の魔物にのみ込まれそうになった。マイクシャクは最速211キロのサーブと強烈なバックハンドでグイグイ攻め込んでくる。「正直、かなりビックリした。すごいな、と。(世界ランク)トップ50、30にいてもおかしくないテニスをされた」。攻略の糸口が見えないまま2セットを奪われた。相手は第3セットでけいれんを起こし最終セット3―0で棄権。2年ぶりの2回戦進出を「もし(最後まで相手が)元気だったら危なかったかもしれない」と受け止めた。

 情報がない相手と戦う難しさを思い知らされた。4大大会での予選勝者との対戦は11勝1敗。油断はないが、相手の直線的な弾道のショットが速いコートで想像以上にハマった。「持ち上げるのも、回り込んで打つのも難しい。意外にバックも守備も良くて崩し方が最後まで分からなかった」。攻略が難しい上に試合運びも後手に回った。第1セットは第1、5ゲームのブレイクチャンスを生かせず、第2セットも先に得た好機を逃し追う展開。「先にブレイクできていれば違った。取り切れない部分はあった」と反省した。ラケットをたたき付けてフラストレーションを爆発させる場面もあった。

 0―2からの逆転は3度目。「焦りはなくはなかったけど、落ち着いてやろう」と心がけていた。相手が失速した第3セット以降も「5セットまでいったら回復してくる。絶対にポイントをあげず、普通に戦うつもりで」と、油断せず集中を切らさなかった。最高気温33度の暑さでフルセットながら2時間48分で済ませ、体力消耗は最小限に抑えた。

 前哨戦のブリスベン国際で約3年ぶりのツアー優勝を果たし、自信は深まっている。次戦はカロビッチ。今大会最長身の211センチから打ち下ろすサーブで、1回戦は42本のエースを決めている。「好きな相手じゃない。ワンチャンスで負ける可能性もあるので、なるべくリターンや自分のサービスゲームでしっかりプレーできるように意識したい」。緩みなく、気負いなく。悲願の4大大会初制覇への道は始まったばかりだ。

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