合計77歳ベテランコンビが“記念出場”で32強入り…昨年結成、最初で最後の大舞台

スポーツ報知
男子ダブルス4回戦で敗れた柳延恒(右)・張一博組

◆卓球 全日本選手権第3日(16日・丸善インテックアリーナ大阪)

 男子ダブルスの柳延恒(リュウエンコウ、44)=TEAMSATO=、張(チャン)一博(33)=Y・Y卓球クラブ=組が3回戦をストレート勝ちで突破し、32強入りした。合計77歳のベテランコンビは、大学生相手に確実に得点を重ね、落ち着いた試合運びを見せた。張は「相手は若い人なので攻撃が鋭い。1本1本ミスしないようにやると決めていた。その結果が良かった」と振り返った。

 もともと中国出身で、ともに卓球専門の小学校である上海巨鹿路第一小学校の出身だ。張が在学中に、卒業生として同校を訪れた柳に指導を受けるなどして知り合った。柳は指導者として、張は高校進学のために同時期に来日し、今ではお互い神戸で暮らしている。11歳の年の差があるが、張は「歳が離れているけど普段から仲が良い。友達みたいです。負けてても怖くない。挽回できる気持ちがある」とコンビ愛を口にした。

 昨年、柳が日本の永住権を取ったことで、かつては日本代表としてプレーしたこともある張が「記念に出ようと思った」とラブコールを送りコンビを結成した。予選を勝ち抜き、全日本の舞台でもこれで3勝。普段は指導者として小学生や女性に卓球を教えている柳は「昨日試合をして今日はめっちゃ筋肉痛です」と苦笑いし、来年以降については「こういう試合に出たら毎日練習しないといけないから…。トレーニングが辛い」と今回が2人での最初で最後の全日本であることを強調した。また若手選手の台頭がめざましいことについては「球が速いので歳を取ったなと思った。回転は少ないけど、球は速い。昔はこんな卓球見たことない」と驚いた様子だった。

 先に行われた混合ダブルスでは準々決勝で敗れた張も「日本卓球界も10代の選手が多くて人気が出てきている。みんな技術も進化して、良い方向にいっている」と太鼓判。「張本みたいな選手がもう少し出てきたら、もっと盛り上がる」と第2、第3の張本誕生を願った。17日には4回戦が行われる。

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