小5松島輝空が8強 “張本超え”へ「気にせず1試合1試合」

スポーツ報知
ジュニア男子で8強に進出した松島(カメラ・矢口 亨)

◆卓球 全日本選手権第3日 ▽ジュニア男子5回戦 松島3―1阿部(16日・丸善インテックアリーナ大阪)

 ジュニア男子で松島輝空(そら、11)=木下グループ=が準々決勝進出を決めた。4、5回戦ともに高校生を3―1で下し、男子で小学5年での8強入りは張本智和(15)=エリートアカデミー=に並ぶ最高成績。

 11歳の快進撃が止まらない。松島は5回戦で苦手とする台から離れた位置での長いラリーに持ち込まれた。「もう『無理だな』と思ったけど、ここで諦めてしまうとメダルに届かない。1球1球、必死に挽回しよう」と粘り強く対応。高校生を3―1で下しての8強入りに「危ない試合でも我慢できた」と胸を張った。

 2歳で卓球を始め天才少年と注目を浴びてきたが、小学5年生になり、国際大会も経験する中で目覚ましい成長を遂げたのが精神面だ。父・卓司さんは「昔は僕が『五輪だ、日本一だ』と厳しく言っていたけど、自分から『世界を目指す』と話すようになった」と明かす。意識の高まりを受け指導方針も転換。本人の考えも尊重して練習メニューを考えると同時に、体格で勝る年上の選手と渡り合うための戦術を磨き、苦手な技術でも勝負を挑むことを心掛けた。

 成果は着実に表れ、昨年12月の世界選手権日本代表1次選考会ではシニアのトップ選手らと9試合で2勝をマーク。年末年始は約10日間の中国遠征を行い、ジュニア世代の中国選手に交じって腕を磨いた。小5でのジュニア男子8強入りは15年の張本に並ぶ史上最高成績だが、4歳下で周囲から常に比較されてきた松島は「張本選手とずっと比べていると自分の卓球ができなくなる。気にせず1試合1試合頑張りたい」と言い切る。

 平日5時間、休日10時間の猛練習のご褒美に時おり遊ぶクレーンゲームでは「取れへん、寄せて」と店員におねだり。コートを離れても負けず嫌いの11歳は、自分らしく“張本超え”に挑む。(林 直史)

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