【佐藤真二の目】混合ダブルスＶの伊藤美誠、自由自在のフォアと選球眼

◆卓球　全日本選手権第４日　▽混合ダブルス決勝　森薗政、伊藤３―１張本智、長崎（１７日・丸善インテックアリーナ大阪）

　混合ダブルスで森薗政崇（２３）＝岡山リベッツ＝、伊藤美誠（１８）＝スターツ＝組が２連覇を飾った。決勝で張本智和（１５）、長崎美柚（１６）＝ともにエリートアカデミー＝組を３―１で下した。女子初の２年連続３冠を狙う伊藤はシングルス、女子ダブルスも初戦の４回戦を勝利。

　森薗・伊藤組は狙い通りの優勝だったのではないか。決勝戦では、短いサーブを出すとチキータ（バックハンドで強く打ち返す技）で返されたり、ストップされたりするので長いサーブを多用し、張本・長崎組にぺースを握らせなかった。レシーブ対応などに対する読みでも上回っていた。また、同じコースに２本、３本と攻めてから、コースを変える攻め方で、相手の動きを止めていたというのも勝因だった。

　伊藤は大幅に成長した。フォアハンドを自由自在に打ち分けていたのが目立った。やさしいボールが来たら自分の力で決めにいく。相手の速い球、回転のかかった重い球は、相手の球の力を利用してカウンター気味に打つ。ただ打っているのではなく、非常に「選球眼」が優れていた。相手の力を利用することで、体力的にも楽になる。この日のプレーぶりなら、ダブルス、シングルスも連覇し、また３冠を獲得する可能性は高いのではないか。（協和発酵キリン監督）