ラグビー7人制リオ代表・桑井亜乃、東京五輪へ“最強の選手”リーチから刺激

スポーツ報知
東京五輪プレシーズンのキーワードに「徹底」を掲げて飛躍を誓う桑井

 ラグビー7人制女子で16年リオデジャネイロ五輪代表のFW桑井亜乃(29)=アルカス熊谷、帯広農高出=がこのほどスポーツ報知のインタビューに答えた。20年東京五輪プレシーズンの今季は「徹底」をキーワードに自己管理。男子日本代表リーチ・マイケル主将(30)=東芝、札幌山の手高出=のリーダーシップを手本に2大会連続五輪出場を目指す。(取材、構成・小林 聖孝)

 東京五輪へ向け、大事なシーズンが始まる。7人制女子日本代表「サクラセブンズ」は、今年4月の「女子セブンズワールドシリーズコアチーム昇格決定戦」(香港)から公式大会に突入する。桑井は昨夏のアジア大会後、一時体調を崩し代表から遠ざかっていたが、今は復調し、代表復帰を目指している。

 「目標とする東京五輪代表は、今年の活躍が必須条件。リオ五輪前年がそうであったように、けがをせず代表に在籍し続け、いいパフォーマンスを発揮し、五輪イヤーにつなげたい。そのためには練習はもちろん、食事管理、睡眠など自己管理を『徹底』したい」

 26歳で出場したリオ五輪は1次リーグは、カナダ戦(0●45)、英国戦(0●40)、ブラジル戦(10●26)と3連敗。9位~12位の順位決定予備戦・ケニア戦(24○0)で初勝利をあげたが、9位決定戦・ブラジル戦(5●33)で敗れ10位だった。桑井は1次リーグのブラジル戦でチーム初トライを挙げた。

 「リオでは外国チームとの体格差を痛感。今も状況は変わらないだけにスピードとボールをつなぐ意識で、出来るだけコンタクトを少なくすることが必要。自分も走力、筋力強化を続け、セットプレーでも体を張り安定感を増したい」

 今年9月、日本でラグビーW杯が開催される。日本代表をけん引するリーチ・マイケルは、桑井にとって同じFWとして理想であり、憧れの存在という。

 「『最強』の選手。信じられない運動量でボールに絡み、激しいブレイクダウン、タックルを連発。そのプレーは、敵味方大勢の選手の中でも一際光り、味方に安定と安心感を与えてくれる。自分も、お手本にし少しでも近づきたい」

 故郷の幕別町は人口約2万7000人ながら、桑井をはじめ、陸上女子の福島千里(30)=セイコー=、マウンテンバイクの山本幸平(33)=ドリームシーカーレーシング=、女子スピードスケートの高木菜那(26)=日本電産サンキョー=、高木美帆(24)=日体大職=ら夏冬合計8人の五輪選手を輩出した“オリンピアンの町”だ。

 「リオで五輪3大会連続出場の福島さんと山本さんからは『私も次も狙わなくては』と勇気付けられ、平昌五輪でメダルラッシュだった高木姉妹からは『自分も世界舞台で活躍しなくては』と刺激をもらいました。来年の東京五輪代表を実現し、皆さんに続きたいです」

 ◆桑井 亜乃(くわい・あの) 1989年10月20日、幕別町生まれ。29歳。幕別小1年から陸上、3年からアイスホッケーを始めた。帯広農高では、円盤投げで2年の国体5位。中京大卒業後の2012年にラグビー転向。13年1月に日本代表初選出。家族は両親と姉2人。171センチ、67キロ。

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