14歳・木原美悠、大先輩・平野美宇を圧倒 初8強入り

スポーツ報知
14歳の木原美悠(奥)は平野を果敢に攻め勝利を挙げる(カメラ・矢口 亨)

◆卓球 全日本選手権第5日 ▽女子シングルス5回戦 木原4―1平野(18日・丸善インテックアリーナ大阪)

 女子シングルスで木原美悠(14)=エリートアカデミー=が初の8強入りを決めた。5回戦で17年大会覇者の平野美宇(18)=日本生命=を4―1で撃破し、6回戦も勝利した。4度の優勝を誇る石川佳純(25)=全農=は同6回戦で早田ひな(18)=日本生命=に1―4で敗戦。優勝経験者2人が16強で姿を消す波乱が起きた。男子シングルスは張本智和(15)=エリートアカデミー=が苦しみながらも準々決勝に進んだ。

 木原が4歳上の大先輩を圧倒した。第1ゲームは3―11で落としたが、続く4ゲームを連取しての逆転勝ち。両手でガッツポーズをつくり「平野選手に勝つことができてうれしいし、信じられない」と声を弾ませた。

 “スーパー小学生”と注目を浴びてきた。小学生以下の全日本選手権では、女子で福原愛さんの7連覇に次ぐ5度の優勝を記録。一般の部にも5年生で出場し、社会人選手を破るなど2勝を挙げた。中学1年からは上京し、エリートアカデミーに入校。そこで先輩にあたる平野とは寮生活を1年間、ともにした。同じ部屋で生活し、練習もともにする中で競技に取り組む姿勢を学んだ。昨年10月には中学2年で木下アビエル神奈川の一員としてTリーグに参戦。「自分より強い人がほとんど。その人たちに勝利したことも自信になった」。経験を重ねたことによる成長に加え、前夜には動画サイトで昨年の平野と伊藤美誠(18)=スターツ=の決勝を分析。「ボールを読むことができた」と胸を張った。

 この日は1ゲーム取られた後、すぐに戦術を転換。3球目、4球目の打球のコースを変えることでリズムをつかむと、得意のサーブも効き始めた。ラリーでも持ち味の体幹の強さを生かして両ハンドで打ち負けなかった。アカデミーでは、中国人コーチの指導で苦手だったフットワークを強化し「前までは全然動けなかったけど、今は動けるようになった」。“ハリケーン・ヒラノ”の異名を取る平野の高速卓球と渡り合った。

 6回戦も勝利して初の8強入り。目標も上方修正した。「せっかく平野選手に勝って自信もついたので優勝を目指したい」。14歳170日で頂点に立てば、昨年の張本智和の14歳208日を上回り、男女を通じ全日本史上最年少。快進撃を続ければ、五輪代表レースに割って入る可能性もある。(林 直史)

 ◆木原美悠(きはら・みゆう)

 ▽生まれとサイズ 2004年8月3日、兵庫・明石市生まれ。14歳。163センチ。

 ▽競技歴 4歳で卓球を始め、全日本選手権は小学生以下で5度優勝。小学4年でジュニアの部に出場し、高校生に3連勝。17、18年世界ジュニア選手権団体準優勝。

 ▽卓球一家 父・博生さんは元卓球選手で卓球教室「ALL STAR」を運営。姉と兄も選手だった。

 ▽好き嫌い 好きな食べ物はりんご、苦手な食べ物はピーマン。

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