錦織圭「なおみから勇気もらった」２大会ぶり１６強！

◆テニス　全豪オープン第６日　▽男子シングルス３回戦錦織圭３（７―６、６―１、６―２）０ソウザ（１９日・メルボルン）

　【１９日＝大和田佳世】女子シングルス第４シードの大坂なおみ（２１）＝日清食品＝が、逆転勝ちで３回戦を突破した。世界ランク２７位のくせ者、謝淑薇（３３）＝台湾＝に強打を封じられ、第２セット１―４と追い込まれたが、ここから逆襲。我慢強く戦い、課題の精神面で成長をみせた。続いて登場した錦織圭（２９）＝日清食品＝は、４４位のジョアン・ソウザ（２９）＝ポルトガル＝にストレート勝ちで２大会ぶりの１６強入り。全豪では初めての男女同時４回戦進出となった。

　錦織が大坂から受け取った勝利の流れをしっかり形にした。ストレート勝ちに、「なおみの後にプレーするのは特別。勇気づけられた」と、笑顔で声援に応えた。２０１８年全米オープンの３、４回戦、準々決勝から２人続けての試合はそろって５連勝となった。

　２回戦ではフルセット、３時間４８分の激闘で次の試合で控えていた大坂を待たせた。「申し訳ないな、何回もウォームアップさせただろうな」と考えていた。今回は自分が、「２セットでやっつけてほしい。早く終わってほしい」と思いながら準備。ゆっくりは観戦できなかったが、「ここ（第２セット１―４）から逆転するのかとビックリした。よく頑張ったな、と思った」と“兄”目線でたたえ、「なおみちゃんから最高のバトンを受け取った」と話した。

　第１セットこそラリー戦で硬さがあり、「どっちに転ぶか分からなかった」が、タイブレイクを制すると、一気に流れが傾いた。持ち味のラリー戦で心地良い音を響かせて圧倒した。第３セットは凡ミスわずか３本と完璧に近い内容で、過去１勝１敗のソウザをねじ伏せた。今大会前のイベントで共演し、観戦に訪れたサッカー元日本代表ＭＦ本田圭佑（３２）＝メルボルンＶ＝を、「強くて驚いた」とうならせた。

　２試合続けてフルセットを戦い、体力を消耗したが、この試合は３セット２時間６分で片づけた。「体にとっては助けになる」。連日深夜まで試合が行われ、選手への負担が議論されている中で、「前夜も試合は途中まで見ていたけど、１０時には寝た」と、マイペースで過ごしている。疲労回復に努めて勝負の２週目に備えていく。

　◆錦織＆大坂のリレー登場

　１８年全米オープン３回戦で大坂→錦織、４回戦は錦織→大坂、準々決勝は大坂→錦織だった。コートは３番目に大きいグランドスタンドからルイ・アームストロング・スタジアム、準々決勝はアーサー・アッシュ・スタジアムと徐々に大きくなっていった。今回は２、３回戦とも２番目に大きいマーガレット・コート・アリーナで行われている。

　全豪オープンは１４～２７日、ＷＯＷＯＷで連日生中継。ＷＯＷＯＷメンバーズオンデマンドでも配信。詳細はこちら