伊藤美誠、女子初2年連続3冠王手!ダブルス連覇の早田ひなとシングルスで激突

スポーツ報知
女子ダブルスで2連覇を達成した伊藤(手前)、早田組は、テレビの中継カメラにサインを書き込んだ(カメラ・矢口 亨)

◆卓球 全日本選手権第6日 ▽女子ダブルス決勝 早田、伊藤3―1芝田、大藤(19日・丸善インテックアリーナ大阪)

 女子ダブルスで早田ひな(18)=日本生命=、伊藤美誠(18)=スターツ=組が2連覇を果たした。準決勝を3―0で勝利し、決勝は芝田沙季(21)、大藤(おおどう)沙月(14)=ともにミキハウス=組を3―1で下した。伊藤はシングルスでも準々決勝で安藤みなみ(21)=専大=を4―1で退け、混合ダブルスに続く優勝で女子初の2年連続3冠に王手をかけた。早田も4―0で芝田を破り、20日の準決勝では“みまひな”が激突する。

 “みまひな”が全日本の舞台で世界一のコンビネーションを見せつけた。伊藤と早田は2年連続の優勝を決めると、笑顔で右手を合わせた。昨年12月のワールドツアー・グランドファイナルを制するなど世界ランク1位で迎えた大会。初戦から盤石の戦いで勝ち上がり、伊藤は「素直にうれしい。昨年の優勝からたくさんのツアーに出させてもらって、さらにレベルアップした自分たちを見てもらえたかな」と声を弾ませた。

 17年4月のアジア選手権でコンビを結成し、同年の世界選手権で銅メダルを獲得。国内外で経験を積む中で、連係を磨き上げただけでなく、石田大輔コーチは「ベンチに帰ってきても、ずっと2人で話をしている。これだけ話がちゃんとできるというのは非常にいいことだと思う」と語る。大会前の練習は2日間だけだったが、同学年で仲が良く、常に課題を話し合い、修正できる関係性が強さにつながっている。

 個の成長も見逃せない。早田は昨年、中国選手から12勝するなど飛躍を果たした伊藤とダブルスを組む中で、技術やメンタルを吸収した。第3ゲームを逆転で落とした直後の第4ゲームでは、4―1の場面で強気の逆回転のチキータでぶち抜き、「レシーブや思い切りの良さは伊藤選手を目の前で見て学んだこと」と感謝した。

 2人はともにシングルスでも4強入りを決めた。伊藤は準々決勝で2年前に敗れた安藤と対戦。「全日本の借りは全日本でしか返せない。強い思いを持って戦った」と雪辱を果たした。早田は世界ランクで自身の43位よりも格上の芝田に対し、「自分より実力は上。チャレンジャーの気持ちで入ることができた」。相手の武器のフォアハンドを封じ、4―0で完勝した。

 ダブルスで世界選手権優勝を目標に掲げた2人は20日、シングルスで敵味方に分かれる。早田は「お客さんに楽しかったと言ってもらえる試合がしたい」と胸を躍らせ、伊藤は「準決勝の舞台でひなと対戦できるのはすごくうれしい。決勝という思いで臨みたい」。全日本で初めての“みまひな”決戦に向け、健闘を誓い合った。(林 直史)

 ◆伊藤と早田の対決

 国際大会では5度当たり、伊藤の3勝2敗。直近は昨年6月の中国オープン2回戦で伊藤が3―2で勝利している。国内では17年12月の世界選手権日本代表選考会が直近の対戦で、伊藤の3―1。全日本選手権では一般の部での対決は初めて。

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