張本智和、準決勝敗退「まさか決勝に行けずに終わるとは」連覇の夢消える

スポーツ報知
大島(後方左)に敗れ、厳しい表情の張本

◆卓球 全日本選手権最終日 ▽男子シングルス準決勝 大島4―3張本(20日・丸善インテックアリーナ大阪)

 男子シングルス2連覇を狙った張本智和(15)=エリートアカデミー=は準決勝で大島祐哉(24)=木下グループ=に3―4で敗れた。

 張本の周りにだけ沈黙があった。大島に3―4で振り切られ連覇、そしてダブルスと2冠の夢は準決勝でついえた。「負けを受け入れたくないし、受け入れても悔しいだけ」。ベンチでしばし、ぼう然とした。

 フルゲームまで持ち込んだのが、前回覇者の意地だった。試合後、重圧を認めた。「想像以上に苦しかった。全日本は苦しくて怖い大会。まさか決勝に行けずに終わるとは」。淡々とした表情は、肩の荷を下ろしたためだったのかもしれない。

 いつもの張本ではない、と自分が一番よく分かっていた。大島の弱点であるバックを突いたが「守りに入っていた。バックに入れていればミスするだろうという甘い考えだった」と、前陣からのスピードあふれる攻めが鳴りを潜めた。最終ゲーム、9―9の場面ではサーブレシーブの選択に迷い「訳が分からなくなった」と明かした。

 昨年の全日本男子単は史上最年少優勝。12月にはワールドツアー・グランドファイナルも最年少で制覇し、大本命として臨んだ。「緊張して反応が遅くなったり(気持ちが)受けてしまったりした」。挑戦者として怖い物知らずで向かってくる相手に、面食らっていた。

 男子日本代表の倉嶋洋介監督は「追われる身の試練。彼は負けて強くなる選手。今回は逆にすごくいい経験になったと思う」と思いやった。「死ぬ気で練習する」と15歳。敗戦を財産としてリスタートする。(太田 倫)

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