【佐藤真二の目】伊藤美誠、相手作戦変える前に読んで対応

スポーツ報知
女子決勝でスマッシュを放つ伊藤美誠

◆卓球 全日本選手権最終日 ▽女子シングルス決勝 伊藤4―1木原(20日・丸善インテックアリーナ大阪)

 伊藤美誠(18)=スターツ=が女子史上初の2年連続3冠を成し遂げた。準決勝で早田ひな(18)=日本生命=を4―0、決勝で木原美悠(14)=エリートアカデミー=を4―1で下した。混合ダブルス、女子ダブルスに続く優勝で、18歳での2年連続3冠達成は男女を通じて史上最年少。中国選手との激闘を通じ、スケールアップした実力を発揮した。

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連覇の伊藤はまさに独り舞台だった。木原とはバックハンドなら互角だが、フォアとバックのバランス、サーブの配球、レシーブの多彩さ、コースの打ち分け、打球の強弱…多くの点で、伊藤の方が大きく上回った。ほぼ完璧な内容だった。

 特筆すべきは、伊藤の持つ「戦術変更対応力」である。相手が作戦を変えてから対応するのではなく、変える前に読んで、対応してしまう。普通の選手ならゲームごとに変更するところを、10球や5球で変えていける。もちろん相手の対応は困難になる。末恐ろしい選手だ。

 張本は連覇の難しさを肌で感じたと思う。勢いだけでは全日本は勝てない。優勝した水谷は、リオ五輪後に台頭した若手の速さに、台から下がることなく読みと技術で対応するようにして、王者に返り咲いた。張本にもいい勉強になったことだろう。

 五輪の男女3人ずつの代表枠を考えた場合、ダブルスの構成まで考慮に入れると、同じ戦型や同じサウスポーを2枚入れるのは難しいなどの制約もある。今大会活躍した早田や木原らが今後代表枠に食い込むためには、まずは年内に世界ランクで上位20位以内に入ってアピールする必要があるだろう。(協和発酵キリン監督)

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