全豪優勝まであと2勝の大坂なおみ「今の実力を考えれば優勝しても不思議じゃない」…WOWOW解説者・鈴木貴男氏が語る

スポーツ報知

▽女子シングルス準々決勝 大坂2(6―4、6―1)0スビトリナ

 世界ランク4位で第4シードの大坂なおみ(21)=日清食品=が4強入りした。日本女子では1994年の伊達公子以来25年ぶり。大会後の世界ランクで日本シングルス勢最高の3位以内になることが確定した。

 第1セットは第5ゲームから互いにブレイクが続いた。大坂が5―4の第10ゲームでブレイクに成功。試合の流れが決まった。全豪テニスを連日生放送しているWOWOWで解説を務める、1996年アトランタ五輪代表の鈴木貴男氏はどう見たのか。

 「40―0で取れなくて、ジュースになってからのプレーが冷静だった。このゲーム取れなくて5―5でもいいや、ではなくて、このゲームを取れば一気に流れがくるんじゃないか、と考えてやっているように見えた。大坂にとっても大きかったし、相手のダメージも大きかった」

 守備がうまいスビトリナは第1セットセットを落とすと、急激に運動量が落ちた。

 「追いつきたい、もう一度離された、また追いついたけど離された、そして結局取られた、となると心理的にダメージが大きい。いい状態で対抗できていた分、この内容で取られてしまうのか、と第2セットの序盤はガックリきてしまっていた」

 大坂は今大会、リターンでベースライン付近に立ち相手にプレッシャーをかけている。第2サーブはベースラインより約1メートル内側に構えて待つ。

 「女子はトップ選手でも第2サーブは弱い。(リターンで内に入って待ち)自分のペースにする、あわよくばダブルフォルトを誘う行為は理にかなっている。逆の立場でみれば、大坂のサーブに対してなかなかそれはできない。第2サーブもそれなりにいいし、悪いサーブになっても動きが良くなったので返球に対して動いて補える」

 準決勝のKa・プリスコバ(チェコ)戦でも勝利のカギはリターンにありそうだ。

 「第2サーブへのアタックを引き続きやらないといけない。ここまで成功しているのだから、プリスコバは大坂に対してパワー負けしないしサーブもいい。サーブがいいからといってストローク戦に持ち込むのは賢明ではない。彼女のサーブはドカーンというより鋭さがある。ウィナーもパワーというよりは、もうサイドに打ってきたのか、というような鋭さがある」

 試合展開はこれまでの試合以上に我慢が必要になりそうだ。

 「ウィナーは何本か決められる展開になるだろう。それはプリスコバの持ち味なのだから仕方ない。ただ、どの体勢ならどの方向に打ってくるのか傾向を頭に入れて、大事な時に抑えたり、頑張って返したりすればいい。序盤に決められても終盤に向けて少しでも触ったり、1本でも多く返せるような術を考えておけばいい。簡単にエースを量産させないことは気分を乗せない意味でも大事。触ったり何とか返すことで、競った場面で相手にプレッシャーがかかってミスが出たり、読みが当たってカウンターが打てるかもしれない」

 昨年9月の東レ・パンパシフィック・オープン決勝では敗れている。

 「あの時は大坂は体調も悪かっただろうし参考にしていない。全米直後で別人がやっていたようなもの」

 4大大会2大会連続優勝まであと2つとなった。

 「優勝できる存在だし、それだけのテニスをしている。全米の優勝した時とはまた違うと思う。全豪では初めての4強だが、今の勢力図や実力を考えれば優勝しても不思議じゃないし快挙じゃない。そのくらいの選手だと思っている」

 全豪オープンは14~27日、WOWOWで連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。詳しくはこちら

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