大坂なおみ、準決勝で勝ち、クビトバ負ければ世界1位確定「また大きなことがしたい」

スポーツ報知

◆テニス 全豪オープン第10日 ▽女子シングルス準々決勝  大坂なおみ2(6―4、6―1)0エリナ・スビトリナ(23日・メルボルン)

 【23日=大和田佳世】女子シングルス世界ランク4位で第4シードの大坂なおみ(21)=日清食品=が、日本勢では1994年の伊達公子以来25年ぶりの4強入りを果たした。準々決勝で同7位のエリナ・スビトリナ(24)=ウクライナ=にストレート勝ち。大会後に発表される世界ランクで伊達、錦織圭(日清食品)を超えて、日本人最高の3位以内になることを確定させた。24日の準決勝(試合開始は午後1時半以降)で同8位のKa・プリスコバ(26)=チェコ=と対戦する。

 第1セット5―4の第10ゲーム、40―40。大坂は3度のセットポイントを逃して悲鳴を上げた後、コートに背を向けて約5秒考えた。「100%の信念なく打っていた。迷いなくプレーしなくちゃ」。第2サーブのリターンを構え、いつものように左の平手で2度、さらに珍しく拳で3度強く左太ももをたたき、気合を入れた。

 バックハンドでクロスに打ち込み、この日唯一のリターンエースが夏の強い日差しに照らされたコートに決まった。「カモン! カモン!」。感情を爆発させた一撃で日本勢25年ぶり4強への流れを作った。

 サーブと強打のイメージが強いが、リターンが新たな武器になりつつある。今季からほぼベースライン上に立ち第2サーブに対しては1メートル近く内側に入る。大坂を担当する日本テニス協会の吉川コーチは、「立ち位置から攻撃するぞ、というプレッシャーをかけている」と説明する。

 パワーヒッターが早いタイミングで返す位置にいるだけでもサーブを打つ方には脅威になる。コースを読んで素早く反応して動く難しさを、俊敏性を増した体でカバー。5試合通算リターンエース23本、相手の第1サーブからの得点率43%は4強でトップの数字だ。

 第1セットを先取するとツアー本戦58連勝、ツアー予選、フェド杯を含めると65連勝と圧倒的に強い。秘けつは「分からない」というが、「第1セットで学んだことを生かして、第2セットはできるだけ早く終わらせるだけ」と、簡単なことのように話す。この試合もラリーを嫌って早めにダウンザラインに打ってミスを重ねたのを反省し、戦略を変更。バックだけで12あったミスを2に減らす高い修正能力を示した。

 ミスの少ない相手を上回る安定ぶりを示し、開幕前は「3歳児」だったメンタルは、「1年成長して4歳、かな」と笑った。この日は祖父・鉄夫さんの74歳の誕生日で勝利をプレゼントし、インタビューを通じて「お誕生日おめでとう」を伝えた。準決勝は2018年全米オープン優勝後の凱旋試合、東レ・パンパシフィック・オープン決勝で敗れたKa・プリスコバと対戦する。「もう次を見ている。満足はしていない。もっと勝ち上がりたい。もっと勝ちたい。また大きなことがしたい」。一度味わった4大大会の頂点に立ち、世界ランク1位にも上り詰める。

 ◆大坂が1位になるには

 40ポイント差のクビトバと同等以上の結果を残すことが必要。優勝なら他選手の結果にかかわらず1位。決勝で敗れてもクビトバが先に敗退していれば1位になる。準決勝で敗れても、クビトバが準決勝敗退、Ka・プリスコバが準優勝なら1位になる。

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