錦織、ジョコビッチに15連敗 ダメージ限界で棄権「脚1本で勝つのは無理だった」

スポーツ報知

◆テニス 全豪オープン第10日 ▽男子シングルス準々決勝 ノバク・ジョコビッチ1(6―1、4―1棄権)0錦織圭(23日・メルボルン)

 男子シングルス世界ランク9位で第8シードの錦織圭(29)=日清食品=は、全豪初の4強入りをかけた同1位のノバク・ジョコビッチ(31)=セルビア=との準々決勝で第2セット1―4の時点で棄権した。4試合で計13時間47分を戦った疲労から右太ももに痛みが生じた。4大大会の途中棄権は、2016年ウィンブルドンの4回戦以来。1932年大会の佐藤次郎以来、日本勢87年ぶりの4強入りはならなかった。

 錦織の体は限界だった。序盤から動きが重く、ジョコビッチとの厳しいラリーに対応できず。異変は第1セット第4ゲーム。サーブを打った時に「右太ももに強い痛みがきた」。第2セット開始前に治療を受けたが「跳び上がる、膝を曲げることができなかった。脚1本で勝つのは無理だった」と続行を断念。1―4で棄権し、コート裏の階段を足取り重く引き揚げた。

 前日は休養と回復に努めたが、4回戦で自身最長5時間5分を要したダメージは重く、4試合計13時間47分を戦い、満身創痍(そうい)だった。14連敗中の天敵には万全でなければ勝機は見えない。「いつも一番きつい時に対戦が来る。タイミングが味方してくれない」と組み合わせ運の悪さを嘆いた。

 1年前は、17年夏の右手首故障からの復帰戦を米カリフォルニア州のツアー下部大会で迎えていた。今年は前哨戦のブリスベン国際では約3年ぶりにツアー優勝を果たし、大会後に発表される世界ランクでは7位まで上がる見通し。「また8強を超えられず悔いが残るし、やりきれない思いはあるけど、ひたすら頑張っていくしかない」。20代最後の年、ビッグタイトル獲得を目指すシーズンはまだ始まったばかりだ。

 〇…ジョコビッチは圧巻の強さを見せ、右太ももの痛みのために途中棄権した錦織に15連勝。隙のない内容で6度目の優勝を飾った16年大会以来の4強入りを果たし「ここで成功してきた多くの経験が生きている」と満足げに言った。準決勝は4回戦、準々決勝で格上のシード選手を連破してきた24歳のプイユの挑戦を受ける。「(世界ランクで)トップ10に入ってもおかしくない選手。初対戦を楽しみにしている」と語った。

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