大坂なおみ、バインコーチと契約解消 技術面でさらにレベルアップへ巣立ちの時

スポーツ報知

 女子テニス世界ランキング1位の大坂なおみ(21)=日清食品=は12日、自身のツイッターでサーシャ・バイン・コーチ(34)との契約解消を明らかにした。昨季から指導を受け全米オープン(OP)、全豪OPと4大大会2連勝の快挙を達成。男女を通じてアジア勢初の世界1位となり、新たな境地を目指して決断したとみられる。後任は未定で、次戦のドバイ選手権(17日開幕)はコーチ不在で臨む。

 歓喜の全豪OP制覇からわずか17日、大坂が大きな決断をした。

 「みなさん、私はこれからはサーシャとは一緒に仕事はしません。彼には感謝しているし、今後の成功を祈っています」

 約1年の師弟関係解消を、英語26ワードで報告。バイン氏は「ありがとう、なおみ。素晴らしい旅路の一員でいさせてくれて感謝している」と返信した。コメント欄には「なぜ?」の声が相次いだが、関係者によると大坂本人の意向だった。

 バイン氏は対話を重視して「力を発揮するには我慢が必要」と説き、練習嫌いで精神面に波のあった大坂を「毎日違う方法」で導き、世界NO1に急成長させると、女子ツアーを統括するWTAの年間最優秀コーチ賞に輝いた。試合中、ベンチに駆け寄りしゃがんで目線を合わせ「君ならできる」など優しい声をかける姿は話題になった。

 大坂も「何でも話せる存在」と心を開き、初優勝した昨年3月のBNPパリバOPの優勝スピーチで感謝を伝えていた。だが、徐々に関係は変化し昨年中から交代を検討。全豪準決勝前の練習後には作戦を話し合う時間に目も合わせず、話半分で立ち去った。優勝後のSNS投稿では、他スタッフより言及が少なかった。

 関係者は後任の条件に「次のステージとして、このナンバーワンのレベルで戦術、技術をきっちりコーチできる人」を挙げた。バイン氏は4大大会23勝の元女王セリーナ・ウィリアムズ(米国)らの練習相手を長年務めていたが、コーチ業は初めて。常に練習で打ち合いながら世界トップから学んだことを伝えていくスタイルだった。技術面でさらにレベルアップしたい大坂には巣立ちの時が来たのかもしれない。

 幼少期から手ほどきを受けた父フランソワさん、16年9月から日本協会が招いたデビッド・テーラー氏とは違い、初めて自分で選び、離別も自分で決めた。今週のカタール・オープンは背中の痛みで欠場。17日開幕のドバイ選手権はコーチ不在で臨む。留任するトレーニング担当アブドゥル・シラー氏(43)やトレーナーと共に新たな「チームなおみ」で女王として戦う。

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