【Tリーグ】吉村和弘、世界8位を撃破 岡山ファイナル王手

スポーツ報知
彩たま・黄(右)に勝利しガッツポーズする岡山・吉村和(Tリーグ提供)

 岡山武道館などで2試合が行われた。男子で2位の岡山リベッツは3―1で3位のT.T彩たまを下し、上位2チームで初代王者を決めるファイナル(3月17日、両国国技館)進出に王手をかけた。4月の世界選手権(ハンガリー)代表で世界ランク60位の吉村和弘(22)が、同8位の黄鎮廷(27)=香港=を3―2で破る活躍を見せた。女子は木下アビエル神奈川が3―2で日本ペイントマレッツに勝利。レギュラーシーズン1位通過を確定させた。

 吉村が日本代表の自覚を胸に勝負の一戦を制した。世界8位の黄との第2試合は最終ゲームまでもつれたが「僕が悪いところを攻めてくると思って、そこを待って勝負をかけられるように準備していた」。2連続でサービスエースを奪うなどたたみかけ、フォア側への返球に回り込んでチキータを決めるなど、11―7で勝利。「チームの勝ちにつながる勝負の試合だと思っていた。そこを勝てて後半に回せたので良かった」と殊勲の白星に胸を張った。

 チームの必勝パターンだった。第1試合のダブルスで上田仁、森薗政崇組が2―0で勝ち、今季15勝目(2敗)をマーク。ベンチで見守った吉村も「必ず勝って回してくれると信じていたので、気楽に試合ができた」とリーグ最強ペアに感謝した。

 吉村はリオ五輪団体銀メダルの真晴(25)を兄に持ち、17年の全日本選手権で準優勝するなど、ポテンシャルが注目されてきた選手だった。故障などで苦しんだが、昨年5月の香港オープンでワールドツアー初優勝を経験。1月29日には強化本部推薦で世界選手権代表に初選出され「今まで本当の目標が分からない状態だった。世界選手権に選ばれて、そこに向かって頑張ろうという気持ちも強いし、その先の東京五輪も向かっていけるという強い気持ちを持てている」と意識が変わった。

 それまで4勝6敗だったTリーグも、代表選出後は4戦全勝だ。「明確な目標があって練習に取り組めていることがプレーに出ている」。ホーム最終戦を4連勝で飾ったチームは3位・彩たまとの勝ち点差を10に広げた。19日に彩たまが琉球に敗れるか、20日に琉球に勝てばファイナル進出が決定。首位の東京にも2差と肉薄し、残り2戦へ新エースは「2勝していい流れでファイナルに進みたい」と闘志を燃やした。(林 直史)

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