大坂なおみ、世界1位初戦自滅に涙「サーブ悲惨」…人生初7度ブレイク許した

スポーツ報知

◆テニス ドバイ選手権 ▽シングルス2回戦 ムラデノビッチ2(6―3、6―3)0大坂なおみ(19日、UAE・ドバイ)

 女子シングルスの世界ランキング1位で第1シードの大坂なおみ(21)=日清食品=は初戦の2回戦で、世界ランク67位のクリスティナ・ムラデノビッチ(フランス)に3―6、3―6で敗れた。1月の全豪オープンを初制覇し、世界1位に就いて以来初のツアー大会。サーシャ・バイン氏(34)とコーチ契約を解消したばかりだが、再出発を白星で飾れず涙した。昨年優勝した3月6日開幕のBNPパリバ・オープン(米国)が次戦となるが、早期敗退なら1位陥落の可能性もある。

 新たな船出のはずが、格下相手に足をすくわれた。試合後の会見。大坂の目に涙が浮かんだ。それでも、司会者の中断の提案を制して質問に応じた。「かなり悪いプレーだった」。初戦敗退は、昨年8月のウェスタン・アンド・サザンオープン以来。「オオサカ」コールに応えられなかった21歳の“女王”は唇をかんだ。

 武器の第1サーブの成功率は45%。全豪決勝の62・2%に比べてはるかに精度が低かった。第2サーブのポイント獲得率にいたってはわずか19%。「サーブは悲惨だった。最近あまり練習ができていなくて、こんなにブレイクされたことは人生でない」。主導権を握れず、7度もブレイクを許した。敗因は顕著だった。

 12日に自身のツイッターで、バイン氏とのコーチ契約解消を電撃発表。会見では関連の質問が相次いだ。「自分の立ち位置がまだ、よく分かっていない。(バイン氏の話題は)今、最も大きなテニスのニュース。良くない理由で人々からじろじろ見られているように感じる」。試合中、感情を表に出し、自らを鼓舞するシーンもあまりなかった。平常心が失われていたのは明らかだった。

 強引なショットが目立ち、バイン氏と培った「我慢」のテニスから程遠かった。今回は日本協会から派遣された吉川真司コーチと話し合い、自分の意見を出しながら調整を進めてきたが「これまで人から指示されたことをやってきただけだったので、少し厳しかった」と告白した。

 次戦は昨季にツアー初優勝した3月のBNPパリバ・オープン。早期敗退に終われば、世界1位から陥落の恐れもある。今回、試合中にツアーで認められている、コーチを呼ぶ権利をあえて行使しなかったのは「挑戦」だとした大坂。「いつも勝ちより負けの方がより多く学べると教えられてきた。それが真実」と、新たな教訓を胸に刻んだ。

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