サンウルブズ中村亮土「狙い通り」65メートル独走で先制トライ演出

スポーツ報知

◆スーパーラグビー第2節 ワラタス31―30サンウルブズ(23日・秩父宮ラグビー場)

 日本チームのサンウルブズは国内開幕戦で、昨季4強の強豪・ワラタス(オーストラリア)に30―31で惜敗。開幕2連敗も、7点差以内の敗戦に与えられる勝ち点1は獲得した。前半8分に日本代表候補のセンター中村亮土(27)=サントリー=が、インターセプトから約65メートルを独走し先制トライを演出。9月開幕のW杯代表入りへ存在感を見せた。次戦は3月2日にチーフス(ニュージーランド)と敵地で対戦する。

 W杯イヤーの秩父宮開幕戦で中村が魅せた。前半7分、自陣22メートルライン付近で「狙い通り」に飛び出し、相手のパスをインターセプト。一気に敵陣15メートル近くまで走り、右サイドに追走してきたウィングのファンデンヒーファーにラストパスを送った。先制トライを生んだビッグプレーのほか2トライに絡み、守備では前節のシャークス戦より連係を意識して果敢に止めた。日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの御前で好プレーを見せ「満足はしていないけれど、今のベストは出せた」と自信が漂った。

 昨季はサンウルブズで9試合に出場し、日本代表でも11月のイングランド戦でトライを挙げた。所属のサントリーで「怒られすぎて覚えていない」ほど厳しく成長させてくれた沢木敬介監督の退任が22日に発表された。「寂しいけど自立しないといけない」。W杯メンバー争いが常に関わる今季は、昨年12月の右ふくらはぎ肉離れで試合勘に不安が残っていたが「レベルアップしたい」という意識が強まっている。

 合宿中の日本代表の主力は不在も、競争意識と勝利への意欲がチームに好影響を与え、フランカーのフーパー、FBフォラウらオーストラリア代表13人がいる強豪を1点差まで追い詰めた。終了間際にドロップゴールを外したSOパーカーは「不運だった」と悔しがった。前節で苦戦したスクラムは安定し、プレッシャーをかけることもできた。代表強化と勝利の両立を目指す難しい道のり。2連敗スタートにも下を向かず戦い続ける。(大和田 佳世)

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