木村翔、日本人対決で9回12連打TKO勝ち 苦手サウスポー300回スパー実る

2018年1月1日6時0分  スポーツ報知
  • 9回TKO勝利で初防衛に成功した木村は亡き母・真由美さんの遺影を持ち勝ち名乗りを受ける

 ◆報知新聞社後援 プロボクシング・トリプル世界戦 ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○王者・木村翔(9回2分34秒TKO)同級1位・五十嵐俊幸●(31日、東京・大田区体育館)

 WBO世界フライ級王者・木村翔(29)=青木=は、同級1位で元WBC同級王者・五十嵐俊幸(33)=帝拳=に9回TKOで勝ち初防衛した。

 大みそかの日本人対決で強さを見せつけた。自身国内初の世界戦で初防衛戦の重圧もなく、木村は力で圧倒した。「勝負カラー」の黄色のグラブにシューズで臨み、左右の強烈なフックを打ち分けて終始、相手を押し込んだ。最後は左右の12連打で相手をコーナーにくぎ付けにし、9回2分34秒TKO勝ち。「本当に今日は力の試される試合だと思っていた。五十嵐選手は根性の強い選手で、勝ててほっとしています」。リング脇に詰めかけた、地元の埼玉・熊谷市の約300人の大声援に応えてみせた。

 対策が生きた。唯一の黒星となったデビュー戦の相手がサウスポーと苦手なため、その克服を目的に計300回のスパーリングを消化。11、12月に香港とタイで合宿し、タイでは1回4分のスパーを2週間で78回もこなした。「五十嵐選手にTKO勝ちできたのは自信になる。僕は1発もらったら2発当てる昭和のボクシングしかできない。ブンブン振り回して熱くなる試合ができたら」と日焼けサロンで焼いた顔をほころばせた。

 17年7月に08、12年五輪2連覇の実績を持つ中国の英雄・鄒市明(ゾウ・シミン)から大金星を挙げ、王座戴冠。中国での知名度は急上昇し、卓球の福原愛(29)に次ぐ日本人有名人に。「庶民派ボクサー」を自称し、住まいは家賃5万円で5畳1Kのアパート。酒配達のアルバイトも続けてきたが「間違いなく引っ越します。バイトは要相談ですね。もっともっとビッグになりたい」と“成り上がり”を宣言した。

 次戦は鄒との再戦がうわさされ、1月20日の中国・深センでの興行に招待されている。中国では鄒が失明したとの報道もあり「チャンスをくれた王者なので会いに行きたい。相手が誰だろうと決められた試合に勝つだけ」と木村。まだまだ伸びしろ十分な粗削りの王者が、18年日本ボクシング界の主役となる。(榎本 友一)

 ◆木村 翔(きむら・しょう)1988年11月24日、埼玉・熊谷市生まれ。29歳。本庄北高を1年で中退。プロデビューは2013年4月で1回KO負け。2分けを挟んで14連勝(7KO)し、16年11月に日本ボクシングコミッション未承認のWBOアジア・パシフィック王座を獲得。身長165センチの右ファイター。独身。

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