清瀬天太、地元姫路で元世界王者破る…オーレドンは井岡戦以来7年ぶり黒星

スポーツ報知
元世界王者のオーレドンを7回終了TKOで破り、笑顔の清瀬天太(中)。世界ランク入りが見えてきた

◆プロボクシング▽バンタム級(53・5キロ以下)10回戦〇清瀬天太(7回終了TKO)オーレドン・シッサマーチャイ●(21日、兵庫・ウインク体育館)

 WBCユース世界バンタム級王者・清瀬天太(21)=姫路木下=が、WBA世界同級9位・オーレドン・シッサマーチャイ(33)=タイ=に7回終了TKO勝ちし、世界ランキング入りが濃厚となった。15年度西日本新人王が、元WBC世界ミニマム級王者を撃破。オーレドンは11年2月に井岡一翔に5回TKO負けして同王座を奪われて以来、7年ぶり黒星でプロ2敗目。通算成績は清瀬が15勝(7KO)2敗1分け、オーレドンが68勝(28KO)2敗1分け。

 デビュー以来最大の難敵を迎えた清瀬が、臆することなく初回から手数を繰り出し、テンポよく左ボディーブローをオーレドンの右脇腹に放り込んだ。3回、サウスポーの元世界王者の右フックをもらってグラついたのが、この日最大の危機。ここをしのぐと、4回以降は再び主導権を奪い、ボディー攻撃を軸にコーナーへ何度も追いつめた。7回終了時、ついにオーレドンがギブアップ。清瀬のTKO勝ちに、地元会場が沸いた。

 勝ち名乗りを受けた清瀬は「この試合のために、いつも以上にキツい練習を積んできた」と笑顔。緩急をつけた毎朝10キロのロードワークや4月のフィリピン・セブ島でのスパーリング合宿が報われた。この勝利で世界ランキング入りするとみられるが「僕より弱いランカーはいない。きょうも1回ぐらいダウンを奪いたかった。もっと練習して攻守ともまだまだレベルアップしないと」と謙虚に語る。

 陣営は世界挑戦を急がないスタンス。姫路木下ジム・木下貴志会長は「今、(WBA世界バンタム級王者の)井上尚弥と戦ったら、ぶっ倒される」と苦笑し、「まずは東洋太平洋かWBOアジア太平洋の王座を取らせてから世界を狙いたい」とする。「一戦一戦勝っていけば世界は見えてくる。ここ2、3年が勝負」と清瀬。姫路から世界へ、本当の戦いはこれからだ。

 ◆清瀬天太(きよせ・てんた)1996年8月25日、兵庫・姫路市生まれ。兄・総太さんの影響で小学5年時から姫路木下ジムでボクシングを始める。13年12月、プロデビュー(判定負け)。15年度、バンタム級で西日本新人王&西軍代表。17年11月、WBCユース世界バンタム級王座獲得。身長170センチ。右ボクサーファイター。

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