木村翔、6回KOでWBO世界フライ級V2防衛…海外で奪取&防衛は2人目

スポーツ報知

◆プロボクシング▽WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦 木村翔(青 木)KO6回54秒 フローイラン・サルダール(フィリピン)(木村は2度目の防衛)(27日、中国・青島体育センター国信体育館)

 WBO世界フライ級王者・木村翔(29)=青木=が、2度目の防衛に成功した。同級4位フローイラン・サルダール(29)=フィリピン=に6回54秒KO勝ち。昨年7月の王座奪取も中国で果たし、日本人が海外で王座奪取と防衛成功を成し遂げたのは、亀田和毅以来2人目。次戦は、同級1位で元WBO世界2階級王者の田中恒成(23)=畑中=と指名試合を行う見込みだ。木村の戦績は17勝(10KO)1敗2分け、サルダールは28勝(19KO)3敗1分け。

 ベルトを強く握りしめた。木村は5回にボディーでダウンを奪うと、6回にも連打からのボディーでKO勝ちを決めた。海外での王座奪取と防衛成功の快挙を達成。「日本人王者として中国の地で初めて防衛できたことを誇りに思う」と王座を死守した。

 昨年7月に中国の英雄・鄒市明(ゾウ・シミン)から王座奪取。現地で街を歩けばサイン攻めに合うなど大人気になった。「中国で勝って人生が180度変わった」。酒配達のアルバイトも辞めてボクシングに専念。その成果を示した。

 中国側に興行権を握られ、V2戦の交渉がまとまらずに先行きが不透明な状況が続いた。相手も分からず、意欲をそがれる状態。「王者である限り、目の前に現れた敵を倒すことに変わりはない」。闘志は失わず、ジムで窓を閉め切りサウナ状態で練習。1年で100人ほどの中国人観光客がジムを訪れ、その度に写真撮影やサイン対応。練習にまで参加する中国人ファンの存在が励みになった。

 相手が決まったのは6月中旬。会場も当初の予定から変更された。試合用シューズに刻んだ「雑草」の言葉通り、逆風にも立ち続けた王者。次は3階級制覇を狙う田中を迎える可能性が高い。「まだ強くなれるし、有名になりたい」。11月で30歳を迎えても、枯れることなく伸びていく。

 ◆木村 翔(きむら・しょう)1988年11月24日、埼玉・熊谷市生まれ。29歳。本庄北高を1年で中退。2013年4月にプロデビュー(1回KO負け)。2分けを挟んで14連勝(7KO)し、16年11月に日本ボクシングコミッション未承認のWBOアジア・パシフィック王座を獲得。昨年7月に世界初挑戦で王座奪取し、12月に初防衛。身長165センチの右ファイター。

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