奥本貴之、日本王座初奪取!世界挑戦4度の久高寛之に判定勝ち

スポーツ報知
先輩の久高寛之を破り、日本王座初奪取に成功した奥本貴之(中)左は本石昌也・グリーンツダジム会長

◇プロボクシング▽日本スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇奥本貴之(判定)久高寛之●(10日・エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 日本スーパーフライ級タイトル戦が行われ、挑戦者の同級1位・奥本貴之(26)=グリーンツダ=が、4度の世界挑戦を経験する同級王者・久高寛之(33)=仲里=を3―0の判定で破り、王座初奪取に成功した。通算成績は奥本が20勝(10KO)7敗2分け、初防衛失敗の久高が26勝(11KO)18敗2分け。

 関西勢同士の対決は、サウスポーの奥本が序盤から小気味よくパンチをヒットさせ、接近戦で盛り返してきた久高の追撃を振り切った。ジャッジ3者とも、96―94で奥本支持。2度目の日本王座挑戦で初奪取成功の奥本は、勝利の瞬間、本石昌也会長(42)ら陣営と喜びを爆発させると「途中であきらめそうになったけど、応援して下さった皆さんのおかげで勝てた。ウマいビールを飲んで下さい」と観客席に感謝の気持ちを伝え、大きな拍手を浴びた。

 奥本にとって、元グリーンツダジム所属の久高は、かつての兄弟子。奥本は14歳で同ジムに入門すると、既に世界ランカーだった久高と共にフィリピンやタイでの合宿に参加し、その背中を追った。プロ入り後もスパーリングで稽古をつけてもらった先輩に、タイトル戦の大舞台で“恩返し”。「久高さんの大きな背中を見て、ここまで来ることができた。ありがとうございます」と先輩への敬意を忘れなかった。今後は「世界を狙う」と、久高も獲得できなかった1段階上のベルトを見すえる。

 一方、王座陥落の久高は「奥本はスパーリングした時とは違った。判定は妥当だと思う」と後輩の成長を認め、敗北を受け入れた。今後については「ちょっとゆっくりしてから、続けるか辞めるか考えたい」と進退を保留した。

スポーツ

×