ボクシング代表、山根体制でアジア大会!…山根明氏8日辞任も間に合わず

スポーツ報知
アジア大会の結団式に出席した成松大介

 18日に開幕するジャカルタ・アジア大会の日本代表結団式が13日、都内で行われ、選手、スタッフら647人が出席した。過去の暴力団との交友などの問題で、日本ボクシング連盟前会長の山根明氏(78)ら大半の理事が辞任したが、ボクシング代表は“山根体制”のままで大会に臨むことが判明。同連盟はこの日、各都道府県連盟宛ての声明で山根氏の会長と理事の辞任を公表したものの、新体制移行までの時間はなかった。

 日本連盟常務理事で山根前会長を支えてきた樋山茂氏がチームリーダー、同理事の高見公明氏が監督として帯同する。「日本ボクシングを再興する会」が7月末に問題を告発する前から、日本オリンピック委員会(JOC)は両氏の帯同を認めており、大会直前での変更もなかった。

 代表団をつかさどる立場のチームリーダーと監督は本来、理事が務める。連盟はこの日、ホームページに森正耕太郎会長代行と吉森照夫専務理事の連名で、各都道府県連盟宛ての声明を公表。山根氏が会長と理事を辞任したことを通達した。さらに国体など開催が近い行事に関し、「連盟としての責務を全うする義務がある」と連盟の定款に基づき、新体制移行まで森正、吉森両氏らが運営に当たる意向を示した。

 山根氏が8日に辞任を表明した際に樋山、高見両氏を含めた大半の理事も辞任の意向を示していた。これに伴い、アジア大会のチームリーダーと監督が不在となる可能性もあったが、新体制移行の時間もなく、“山根体制”のままで臨むことになった。実質的に変化のない現状に、再興する会関係者は「何も進んでいない」と首をかしげた。

 連盟幹部の指示で助成金を不当に分配したとされる日本代表の成松大介(28)=自衛隊=はアジア大会結団式に出席。終了後は険しい表情のまま足早に退出し、報道陣の問いかけに無言だった。山根氏が関西連盟会長の辞任を明言しないなど、騒動は終わる気配がない。雑音が消えない中、選手たちは戦いのリングに上がる。

 ◆アジア大会のボクシング主な日程 日本勢は24日に男子フライ(田中)、ライト(森坂)、ウエルター級(荒本)、女子フライ級(和田)の予選が始まる。25日に男子ライトフライ(坪井)、バンタム(堤)、ライトウエルター(成松)、ミドル級(森脇)の予選。9月1日に男女全階級の決勝が行われる。

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