岩佐がV2戦、最強サウスポーを迎撃だ

スポーツ報知
V2を狙う岩佐亮佑(中)

◆報知新聞社後援プロボクシング世界戦▽IBF世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 岩佐亮佑―TJ・ドヘニー(16日、東京・後楽園ホール)

 【見どころ】

 IBFスーパーバンタム級王者・岩佐亮佑(28)=セレス=の2度目の防衛戦は16日午後8時頃にゴング。同じサウスポーの同級1位TJ・ドへニー(31)=アイルランド=を迎え撃つ。岩佐は昨年9月の王座奪取から初めて指名挑戦者を迎え、真価が試される大一番だ。

 3月の初防衛戦はエルネスト・サウロン(フィリピン)に判定勝ちを収めたものの、悔しさが募った。多彩なパンチで翻弄し続け、11回には猛ラッシュで挑戦者をダウン寸前まで追い込むなど主導権を握った試合。ジャッジは1人が12点差のフルマーク、残り2者が10、8点差をつけた圧勝だった。それでも「見ての通りスーパーバンタム級、最弱のチャンピオンです。本当に申し訳ない」と猛省するほど満足できなかった。どんなボクサーでも鬼門とされる初防衛戦。格下相手にKOフィニッシュを逃し、理想とはほど遠かった。

 サウスポーのドヘニーは、身長168センチながら馬力があり、グングンと圧力をかけてくるファイターだ。「打ち合うか、足を使うか、だまし合うか、ゴングが鳴らないとわからないけど、僕のボクシングをやるだけ」と岩佐は話す。初防衛戦の前から取り組むフィジカルトレーニングは週1回から2回に増やし、負荷も上げた。「足を使ったパンチを打てるようになってきた」。パンチ力アップに成功し、仕留める力がプラスされた。

 パワーアップしたのは自分だけではない。2003年に開設されたセレスジムがこれまでと同じ柏市内で移転し、6月16日から正式オープン。リングは一辺の内寸が前より1メートル半広い5メートルとなり、距離をとって戦うスタイルの岩佐にとって、さらなる技術向上に力を貸す仕様に。練習環境も強化された。「間違いなく僕にとっていいリング。前のジムで一からボクシングを教わって世界王者になった。新しい伝説をこのジムで作れるようにしたい」。ジム初の王者となったプライドをにじませた。

 最近、3月に引退した元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏らと食事をする機会に恵まれた。2011年3月に日本同級タイトルマッチで王者の山中氏に敗れた岩佐は「現役時代には話せなかったことをたくさん聞けた」と、かつてのライバルを質問攻め。「山中さんみたいに、いっぱいチケットを売れるチャンピオンになりたい。後楽園ホールが第一歩。まずは面白い試合をしたい」。尊敬する先輩を追いかけながら、メインイベントで王者の責任を果たす。

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