7月に防衛した木村翔、9月に田中恒成とV3戦「遊べなかった怒りぶつける」

スポーツ報知
対戦相手となる田中恒成の写真を手にポーズをとる木村翔(カメラ・清水 武)

◆プロボクシング 世界戦 ▽WBO世界フライ級タイトルマッチ 王者・木村翔―同級1位・田中恒成(9月24日、愛知・武田テバオーシャンアリーナ)

 WBO世界フライ級王者・木村翔が、挑戦者に“怒り”をぶつける。所属する青木ジムが20日に都内で会見し、9月24日に元世界2階級王者で同級1位の田中恒成と3度目の防衛戦を行うと発表。7月27日に中国でV2戦を終えたばかりで2か月弱の短い準備期間となった木村は、十分なストレス発散の時間を取れなかったが、敵地での日本人対決でKO勝利を誓った。

 木村にはストレスがたまっている。7月27日に中国でV2に成功。29日夜に帰国し、休養はわずか8日間で祝勝会もしていない。「正直、きついスケジュール。後ろ髪を引かれるくらいハード。遊べなかった怒りを田中選手にぶつけたい」。WBOの規定で昨年大みそかの初防衛後、9か月以内の指名試合が必要。試合間隔が短いのは田中の責任ではないが、イライラを拳に込めるつもりだ。

 7月30日に田中陣営が単独で試合の発表会見をした。木村陣営の有吉将之会長(44)は「会見の招待はされたけど、休みはあそこしかない。王者はこっち。出向く必要はない」と木村に休養を指示。挑戦者主導の状況には「王者は木村、主役も木村、勝つのも木村」と断言した。準備期間が短いと減量失敗が心配されるが、木村は「今は58キロ弱。体はなまっていないし、疲労は抜けた。ただ遊ぶ暇がなかった。本当にそれだけ」と強調した。

 田中が拠点を置く名古屋市内の会場は、3000人収容の敵地。「名古屋に乗り込むけど、鄒市明(ゾウ・シミン)には1万5000人いる中で勝った。問題ない」と昨年7月に完全アウェーのリングで王座奪取した経験を生かす。「一発当たれば僕の流れになる。僕は前に出るしかない」とスピード自慢の相手に真っ向勝負を宣言した。

 26日から2週間のタイ合宿を予定。田中には、WBAライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に並ぶ世界最速12戦目での3階級制覇がかかる。「勝ってスター街道を駆け上がりたい。3階級制覇を阻止してV3。必ずKOできるようにしたい」。「雑草魂」をモットーとするたたき上げの王者が、高校4冠などアマエリートの挑戦者を迎え撃つ。(浜田 洋平)

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