田口良一 現役続行を表明! 元統一王者が周囲の支えに応えて再起

スポーツ報知
田口良一

 プロボクシングの前WBA・IBF世界ライトフライ級統一王者・田口良一(31)=ワタナベ=が20日、都内の所属ジムで会見し、現役続行を表明した。5月20日に日本人初となる2つのベルトを懸けた統一王座防衛戦に臨んだが、ヘッキー・ブドラー(30)=南アフリカ=に0―3の判定負けで約3年5か月守った王座から陥落した。

 試合直後は「正直、今は何も考えられない」と進退を保留していた。しかし、時間がたつにつれて「ここでやらないのは『逃げ』かなと。いろんな人に応援してもらって、自分の思いだけで決めるのはよくない」と再起を決意。6月中旬に練習を再開した。

 ブドラーは7月にIBFから出された指名試合を放棄し、現在はWBAスーパー王座のみを保持。田口陣営の渡辺均会長(68)によると、金銭的理由から母国・南アフリカでの興行開催が困難で、環境のいい日本での試合を希望していた。ダイレクトリマッチ(直接の再戦)となれば、年内にWBA王座を懸けた田口との初防衛戦となる。

 田口はブドラー戦の減量の最終盤でこれまでより体重が落ちにくく、試合でのコンディションにも影響があった。試合から10日ほど過ぎた時には、渡辺会長は1階級上のフライ級で再起するプランも視野に入れていた。

 現在は同級でWBA4位、WBC4位、IBF7位にランク入りしている。昨年大みそかにWBAで7度目の防衛に成功するとともに、IBF王座を奪った日本人3人目の統一王者。不屈の闘志を胸に再び世界戦のリングを目指す。

 ◆田口 良一(たぐち・りょういち)1986年12月1日、東京都生まれ。31歳。東京・芝商高3年でワタナベジム入門。06年プロデビュー。07年に全日本ライトフライ級新人王。13年4月に日本同級王者。同8月に井上尚弥(大橋)に判定で敗れ陥落。14年12月に世界初挑戦でWBA世界ライトフライ級王座獲得。昨年12月にWBA・IBF統一王者に。日本人の複数団体統一王者は、WBA・WBCミニマム級の井岡一翔、WBO・IBF同級の高山勝成に次いで3人目。今年5月に陥落。身長167・5センチの右ボクサーファイター。

スポーツ

×