村田に「挑戦者」ゴロフキン!来年以降実現あきらめん…王座陥落も本田会長「評価下がっていない」

スポーツ報知
ミット打ちで汗を流した村田諒太(カメラ・浜田 洋平)

◆プロボクシング世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ 王者・村田諒太―同級2位・ロブ・ブラント(10月20日、米ネバダ州ラスベガス・パークシアター)

 WBA世界ミドル級王者・村田諒太のビッグマッチへの道は途絶えていない。陣営の本田明彦会長(71)が20日、元世界3団体同級統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(36)=カザフスタン=と対戦の可能性があると都内で明かした。ゴロフキンは15日にサウル・アルバレス(28)=メキシコ=に判定負けで王座陥落。ゴロフキンの意思次第だが、村田が挑戦者として同選手を迎える可能性もあるという。

 村田の夢は消えていない。ゴロフキンは、1年ぶりに再戦したアルバレスに僅差判定負け。世界的人気を誇るアルバレスは、興行面でも日本で試合をする必要がない。試合後、村田が同選手との対戦実現に「スーパースター過ぎる。険しい道のりになる」と表情を曇らせていた。しかし、結果はどちらに転んでもおかしくない内容。この日、本田会長は「GGG(ゴロフキンの愛称)の評価は下がっていない」と強調した。

 村田は、以前からゴロフキンとの対戦を熱望。相手陣営も東京ドームでの村田戦に前向きだった。本田会長は「GGGはタイトルがなくても価値がある」とベルトを失っても世界最強の呼び声が高く、挑戦者・ゴロフキンでも興行が成り立つという。同会長は米国で試合を視察し、ゴロフキン陣営らとも接触。「負けてショックを受けている。GGGが今後どうするか次第」。アルバレスとの再戦を望むか、村田ら他の王座を狙うかなどの出方で、村田が狙う来年以降のビッグマッチ開催に影響を及ぼす。

 いずれにしても、村田は次戦が重要だ。米ラスベガスで行われる10月20日のV2戦で同級2位ロブ・ブラントと対戦。本田会長は「今までで一番、いい勝ち方が必要。内容が問われる」。村田は米国で知名度が高いとは言えず、評価を上げることを条件に挙げた。アルバレスは12月に初防衛戦、5月に指名試合の見通し。仮に村田が対戦できるとしても、来秋以降となる。

 村田はこの日、都内で練習。ミット打ちなどを行い「(世界挑戦前の)1年前はメンタルが崩壊しそうだった。世界戦も4試合目。キャリアもあるし、その辺りもうまく助けになってくれる」と試合に向けた精神面の成長を実感。一つずつ歩んだ階段を上りきれば、夢のビッグマッチが待つかもしれない。(浜田 洋平)

 ◆ゴロフキン対アルバレス アルバレスが初回からガードを固めて圧力をかけ、相手を後退させた。強烈な左ボディーを軸にフックなどを織り交ぜて優位に展開。後半はゴロフキンも高速ジャブで手数を増やしたが、ジャッジ2者が115―113、1者が114―114でアルバレスに軍配。特に接戦だった最終12回の採点がゴロフキンに傾いていれば、引き分けだった。ゴロフキンはプロ初黒星でWBA21度目、WBC9度目の防衛に失敗し、約8年君臨した王座から陥落した。

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