井上、70秒KOに「パーフェクト過ぎ」

スポーツ報知
衝撃のKO勝利を報じた本紙を手に笑顔を見せる井上尚弥(カメラ・佐々木 清勝)

◆プロボクシング世界戦 WBA世界バンタム級タイトルマッチ ○王者・井上尚弥(1回1分10秒、KO)同級4位フアンカルロス・パヤノ●(7日、神奈川・横浜アリーナ

 プロボクシングWBA世界バンタム級王者・井上尚弥(25)=大橋=が、“満点KO”を手土産に次なる敵と顔を合わせる。7日の「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」初戦で見せた衝撃の70秒KO劇から一夜明けた8日、横浜市内の所属ジムで会見し、「パーフェクト過ぎた。100点です」と自己採点。次戦へ期待を膨らませた。4度目の防衛に成功したWBC世界ライトフライ級王者の拳四朗(26)=BMB=も都内で会見した。

 さすがのモンスターも、今回ばかりは胸を張った。無傷のきれいな顔。会見した井上は「パーフェクト過ぎたという感想。100点の内容の試合でした」と秒殺KOを満足そうに語った。

 初防衛戦を兼ねたバンタム級最強を決めるWBSS初戦。挑戦者に迎えた元WBA世界同級スーパー王者パヤノ(ドミニカ共和国)を右ストレート一撃で倒し、1回1分10秒KO。日本人選手の世界戦最速勝利記録を26年ぶりに更新した。度肝を抜く圧勝にも、人並みの気持ちの揺れはあった。「ホッとした。プレッシャーもあった中で、それなりの結果を残せたことは満足」。試合後から50回は映像を見たというKOショットを「狙い定めて打ったパンチだった」と分析。経験した世界戦12試合のうち、KO勝利は11を数えるが、「過去の試合を含めてもナンバーワン」とも付け加えた。

 来春予定の次戦のWBSS準決勝は海外開催が既定路線。準決勝はIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と同級3位のジェイソン・モロニー(オーストラリア)の勝者が相手。井上は20日に米フロリダ州オーランドで行われるこの一戦を視察予定で「実際に見て、どう感じるか考えたい」と頂点を見据える勝負師の表情で語った。

 昨年10月5日に生まれた長男の明波(あきは)くんを試合後のリングで初お披露目した。大歓声の中でも泣かない愛息に「結構(周囲から)反響ありました。あの動じなさ」。怪物の片りんを見せた我が子に、最後は井上が驚かされた。(飯塚 康博)

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