村田諒太、勝てば待望のゴロフキン戦急接近!「来年初めラスベガスか東京ドーム」

スポーツ報知
最終調整のミット打ちで右ストレートを放つ村田

 【ラスベガス(米国)18日=飯塚康博、浜田洋平】WBA世界ミドル級王者・村田諒太が同級3位ロブ・ブラントとの2度目の防衛戦に向け、試合会場で公式会見に出席。プロモート契約を結ぶ米興行大手・トップランク社CEOのボブ・アラム氏(86)は、村田のスター性を高く評価。勝てば、村田が熱望していた元世界3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(36)=カザフスタン=とのビッグマッチへ交渉を進める考えを示した。

 会見に出席したアラム氏は、プロデビュー前から知る村田を米メディアの前で紹介した。「ボクサー以外を含めても、日本で最も有名なアスリート。米国でいうムハマド・アリのような存在だ」。日本の誇る中重量級王者をリップサービスを含ませながら、かつて自らがプロモートした伝説のヘビー級王者になぞらえた。

 世界的大物プロモーターの期待値は爆発しそうだ。日本で行われた村田の世界戦は「(米国時間の)朝でも多くの人が見ていた。ワールドクラスの素晴らしい選手」と、既に一定の認知度を持っているという。同じ20日にはボストンでWBOの同級王座決定戦が行われるが「こっちがメイン」と話題性で上回ると主張。「多くの人に強さを知らしめるだろう。スターからスーパースターになろうとしている」とV2成功でスター性が開花することを期待した。

 今回は、ゴロフキンのプロモーターを務めるトム・ロフラー氏が視察予定。アラム氏は「勝てばトム・ロフラー、帝拳ジムとも話をする」と、対戦交渉を実行に移すつもりだ。試合の時期と場所は「早くて来年初めの3か月。ラスベガスか東京ドームで」と具体的に見定める。村田が派手な試合で力を証明すれば、実現への流れが加速する可能性が高い。

 村田はビッグマッチを熱望してきたが「この試合の結果で全てが変わる。まずはこの試合に集中。先のことは全く考えていない」と冷静だ。会見後は劇場型の試合会場を視察し、同じ帝拳ジムで元世界3階級王者ホルヘ・リナレス(33)の個人ジムで最後の練習を終えた。30度を超える室温の中、ミット打ちなど約1時間半で汗びっしょり。「(準備を)もうやり切った。あとは神様だけが結果を知っている」。万事を尽くし、スターダムへのスタート地点に立つ。(浜田 洋平)

 ◆ボブ・アラム氏の実績 米ハーバード大法科大学院を卒業。弁護士として司法省で勤務した後、1966年にプロモート会社「トップランク」を設立。統一世界ヘビー級王者のアリを手始めに、初の6階級制覇デラホーヤ、同じく6階級制覇パッキャオ、5階級制覇メイウェザーらの興行に携わった。80年代にはハグラー、レナード、ハーンズ、デュランら「黄金のミドル」と呼ばれたミドル級隆盛の時代を築き、ラスベガスで多くの興行を開催。「聖地」と称されるきっかけもつくった。

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