村田諒太、いよいよV2戦 中重量級で日本人がどこまでやれるのか…決戦の見どころ

スポーツ報知
前日計量を終えポーズをとる村田諒太(左)と挑戦者ブラント

◆プロボクシング 世界戦▽WBA世界ミドル級(72・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・村田諒太―同級3位ロブ・ブラント(20日、米ネバダ州ラスベガス・パークシアター)

 WBA世界ミドル級王者・村田諒太(32)=帝拳=が臨む同級3位ロブ・ブラント(28)=米国=との2度目の防衛戦は、いよいよ20日(日本時間21日)にゴングが鳴る。村田にとって、将来のビッグマッチ実現にはKO勝利が必須の戦い。素早いフットワーク、ハンドスピードが武器の挑戦者を仕留めきれるか。村田の戦績は14勝(11KO)1敗、ブラントは23勝(16KO)1敗。

 村田は強固なガードを固めながらロープ際に追い込み、重たいパンチを浴びせるのが必勝戦術。足を使うことが予想されるブラントにポイントを取られないためにも、村田は自分の形を貫かなくてはならない。「圧力をかけてパンチを打ち込んで、それが通用するかどうか。距離を取りたがるでしょうし、そこを詰めて打てるか」。本場・米国、自身が夢に描いたラスベガスのリングに立つ。

 対するブラントは、17日の公開練習で「判定まで行って勝つことを目指している」と断言していた。KOは「流れの中でチャンスがあれば」という程度。しかし、19日の前日計量では「ムラタをKOする」と一転させた。陽動作戦か。現地の予想では判定決着が優位のなか、不敵な笑みを浮かべる挑戦者。顔を付き合わせるフェースオフでは、王者に詰め寄り、目を見開いてにらみつけた。

 「ムラタは、オリンピックで金メダルを取っている世界王者。2度、世界王者になっている。それが一つのポイントで、あとは左ジャブと右ストレートがうまい。コンディションがいいみたいだし、12ラウンド戦うパワーもある。基本に忠実なボクサーだね」と警戒。テキサス在住だが、元WBA世界ライトヘビー級王者エディ・ムスタファ・ムハマド氏からトレーナーとして指導を受けるため、同氏のいるラスベガスで2か月間の合宿を敢行。世界初挑戦での王座奪取に懸けてきた。

 村田とプロモート契約する米興行大手・トップランク社CEOのボブ・アラム氏(86)は、日本人王者のビッグマッチ実現に前向きだ。今回、村田が勝てば、来年3月をめどにラスベガスか東京ドームで、元3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(36)=カザフスタン=との対戦交渉を進めると明言。村田は力を証明しなければならない。

 アマチュア時代は、2011年世界選手権で日本勢過去最高の銀メダル。12年ロンドン五輪では、日本勢48年ぶりの金メダルを獲得した。プロ転向後は17年10月にミドル級では日本人2人目のWBA王座奪取。さらに18年4月、同級では日本人初の防衛成功の快挙を果たした。「強いパンチを打ち込んで、ぶん殴ってやりたい」。数々の偉業を自慢の拳で切り開いてきた。世界的に層が厚く、群雄割拠のミドル級。中重量級で日本人がどこまでやれるのか―。ファンの夢を背負いながら、決戦のリングに上がる。

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