村田諒太、王座陥落も完全燃焼「ボクシングやってきて良かった。練習も100%後悔はない」

スポーツ報知
一夜明け会見を行った村田諒太

 【ラスベガス(米国)21日=飯塚康博、浜田洋平】プロボクシングWBA世界ミドル級王座から陥落した村田諒太(32)=帝拳=が21日、当地の試合会場で一夜明け会見を行った。2度目の防衛戦に臨んだ20日は同級3位ロブ・ブラント(28)=米国=に0―3の判定負け。観戦に訪れた仲間を見て喜びを感じ、全力を尽くした過程に後悔はないと言い切った。再戦の可能性もあるが進退は未定としたまま変わらず、周囲と話し合って決断する。

 夢に描いたラスベガスのリングから見た景色。村田には高校時代の仲間や、支えてくれる後援会が声をからした姿が何よりも印象的だった。「うれしかった。ホームでやっている気持ちでできた。みんながすごく楽しそうにあの場にいてくれたことに対して、ボクシングをやってきて良かったなと思う瞬間だった」。試合後は映像を振り返って見ることもなく陣営の仲間と過ごし、眠れたのは30分ほど。ダメージの残る中、いつも通り冷静に言葉を並べた。

 練習に集中し始めた9月初旬に風邪を引き、ジムワークが1週間ストップ。練習量をピークへ持っていく時期に調整が遅れ、本田明彦会長(71)は「全員の油断。陣営全体の負け」と振り返ったが、自身は全力疾走だった。「練習も100%してきた。過程において、自分はこれだけやってきたという自信はあるので、後悔するようなことはない」。完全燃焼だった。

 プロモート契約する米トップランク社CEOのボブ・アラム氏(86)は試合後、来春にブラントと再戦する可能性を示した。本田会長は「それは本人次第。リマッチの契約が入っているだけ。普通、米国ではあれで辞めるということはないから」と説明。「日本のボクサーで間違いなく一番稼いだ。背負うものが大き過ぎる」と話すように、多くのスポンサーがついているため村田の一存で進退は決められない。

 村田は「まだ答えは出ない。これだけサポートをしてもらっている人間なので、周りと話をしないと。納得するまで周りの方と話をしたい」と試合後と同じ姿勢を貫いた。五輪金メダル、ミドル級で世界王者。快挙を成し遂げ続けた激動のボクシング人生に休息を与える。(浜田 洋平)

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